台湾市民は「未来選べる」 総統選うらやむ香港人記者
【台北共同】台湾では市民が未来を選択できる―。総統選ムード一色の台北の繁華街を、うらやましさと悔しさが交じる複雑な思いで見つめる香港人がいる。ジャーナリストの梁嘉麗さん(41)だ。中国主導の言論統制が強まった香港を逃れ、台湾で記者活動を続けている。 中国に批判的な論調で知られた香港紙、蘋果日報(リンゴ日報)の記者として市民の日常を追い続けてきた。だが2021年6月、香港国家安全維持法(国安法)に基づく厳しい取り締まりで同紙は廃刊に。記事を執筆する場を奪われた。 「大半の同僚が報道の仕事をやめた」。言論の自由が損なわれつつある故郷を離れ、23年3月に台湾に移った。