定住者ゼロ&冬は立ち入り禁止!?岐阜のディープすぎる限界集落"根尾越波"を見守り続ける人々とその理由とは…
ディープな街で"ハートフル"を探すドキュメント番組「ハートフルワールド」。今回の舞台は定住者のいない集落「岐阜・根尾越波(ねおおっぱ)」。冬は積雪の為、立ち入ることさえできない限界集落です。廃墟となった家屋も目立つこの集落で、ディレクターが一人でカメラを回し「越波を失いたくない」という人たちの想いに迫りました。 【動画】定住者ゼロ&冬は立ち入り禁止!? “根尾越波”の現在の姿がこちら【5分42秒~】
「定住者のいない集落」に週末だけ訪れる人たちが…
岐阜県・本巣市の山奥にひっそりと現れる「根尾越波」(以下、越波)。その越波に点在している家をディレクターが1軒ずつ尋ねてみましたが、応答はありません。廃墟と化している家もたくさんあります。そんな中、取材2日目にようやく一人の男性に会うことができました。 (上杉要さん) 「(Q越波の方ですか?)そう。普段住んでいないけど、皆そうやよ。今は僕自身は別荘代わりに使っている」 かつて「村」だったこの集落には今、定住者はいません。冬になると、数メートルもの積雪を記録するこの地区。雪崩事故もあった為、昭和50年代からは毎年12月~5月までの半年間、集落に通じる道が通行止めになり、立ち入ることすらできません。ピーク時には200人以上いた住民は、減少の一途をたどっていますが、夏から秋にかけて10人ほどが、週末だけ帰ってくるといいます。
「この集落の全部が好き」捨てられない故郷への想い
上杉要さん(65歳)は普段、本巣市で一級建築板金技能士として会社を経営。妻と息子の家族7人で暮らしています。小学生まで育ったという、越波の家を見せてもらうことになりました。 (上杉要さん) 「(Q何代前からお住まいだったんですか?)わかっているだけだとオレで8代目」 家の中は、少しずつリフォームをしているそうで、広々としています。電気は通っており、水道は山に水槽を作り集落の各家へ流れるような仕組みになっています。 お風呂はいつも薪で沸かしているそうで、上杉要さんが生まれた時から60年以上使っている、年季の入ったものです。この家を手放す選択肢はないのかと尋ねると…。 (上杉要さん) 「それはない。ここは捨てきれんの。自分はここが好きやもんで。越波っていう集落の全部が好きやし、僕にとっては癒しの場所」