《ブラジル》茶道裏千家=宗旦忌、エリソン元会長ら追悼=宗歌さんら29人に許状引次
茶道裏千家ブラジルセンター(林宗一代表)は24日、宗家三大忌のひとつ、宗旦忌をサンパウロ市リベルダーデ区のブラジル日本文化福祉協会ビル4階の教場「伯栄庵」にて営んだ。千宗旦は千利休の孫で裏千家の礎を築いた人物。千宗旦の忌日を偲ぶ茶会が執り行われ、リオ・デ・ジャネイロ、ポルトアレグレ、フロリアノポリス、モジ・ダス・クルーゼスなど各地から茶人が参列した。 今年の宗旦忌では、2月に逝去した裏千家淡交会ブラジル協会会長を長年務めたエリソン・デ・リマさん(行年65歳)ほか、茶道普及に貢献した故人へミサ(黙とうと追悼)が捧げられた。その後、横畠勇三宗勇さんにより、宗旦居士に一碗が供えられた。 その後行われた許状引次式では、今年許状を取得した63人のうち29人に林宗一代表から許状が渡された。雪月花の花月席、薄茶席、点心席も設けられ、参加者は特別に用意された菓子や和食とともに薄茶を愉しんだ。
エリソンさんの二人の息子、ダニエル・アキラさん(37歳)とガブリエル・コウイチさん(35歳)は、「ミサで皆さんが父を偲んでくれてとてもうれしかった。このような伝統的なお茶席に参加させていただいて感謝するとともに、父が教えたことやお弟子さんたちの優しさを感じることができて、とても特別な気持ちになりました。父も喜んでいると思います」と、急逝した父の茶道への貢献の偉大さを改めて感じたと述べた。 今回の許状引次式では、カルメン・ルシ・宗歌・コンティ・ヴィエイラさんがブラジルで非日系の女性では初めて「準教授」の許状を受け取った。「私は日本の文化が好きで、もっと日本文化を知るには茶道を始めるのが一番だと言われ、エリソン先生を紹介してもらいました。そして1998年に茶道の道に入り、25年間ずっと続けてきました。茶道では和敬清寂という四規があり、日々の生活の中でもその精神を大切にしています。2018年に宗歌という茶名をいただき、その時から茶道を教え始め、今回ついに準教授になれました。裏千家に認められたことを本当に誇りに思います。これからも茶道を通して、おもてなしの心や日々の生活を楽しくすることを教えていきたいです」と、抑えきれない喜びの気持ちを語った。