「このタスクそもそも必要?」の発想で仕事を効率化し、時間を生み出す秘訣
筆者が、フリーランスのライターとなったのは7年前のことです。 当初は、出版社が運営するウェブメディアに新商品の紹介記事を書いていました。どの商品を取り上げるかは、ライターが自分でチョイスし、編集部の承認を得るという流れです。 そのため、「これは良さそう!」と思う新商品を探すのが記事を書く前のタスクになりました。そして情報を探すために、プレスリリースを集めたサイトを毎朝チェックすることにしました。
増える一方のプレスリリースで効率悪化
当時、プレスリリース配信サービス業は成長の一途をたどっており、配信する企業はどんどん増えていきました。それに合わせて、チェックするプレスリリースも増える一方で、自分が求めていないジャンルの配信比率が高くなっていきました。 やがて、1日にチェックするプレスリリースは数百件に達し、一方で記事になりそうなものは数件にまで減少しました。 チェックの時間が馬鹿にならず、かなり効率の悪い作業であることは認識していました。しかし、なんとなく惰性でやっていました。
「やる意味があるか」の発想がひらめく
ある日、1000件以上チェックして、記事の種になるプレスリリースが1つも見つからなかった時、はっとひらめきました。 このタスク、やる意味があるのだろうか? すっぱりやめて、浮いた時間でもっと建設的な方法に変えた方がいいのでは? と。今思い返すと、もっと「早く気づけ、自分」とツッコまずにはいられません。でも、頭を使わずにサクサクと進むタスクではあるので、続けていたのですね。 以来、プレスリリースの総当たりの探索作業はやめ、アイデア家電などかなり絞って探すようにしました。それとともに企業広報窓口との関係もつくっておき、向こうから情報がやってくる仕組みを作るなど、工夫しました。 おかげで、だいぶ時間的なロスをなくせています。
通常のメール業務すら時間のムダがいっぱい
以来、「時間をかける意義はあるか」という視点を、すべてのタスクに持つようになりました。 すると、意外に多くのことが、「その意義はあまりない」とカテゴライズされるのですね。 例として、メールのやりとりを挙げましょう。以前の自分は、次のルールを課していました。 ・1日に3回のメールチェック ・文面は毎回考えて、バリエーションをもった内容にする ・相手からのメールに即レスする これらを見直して、今では次のようにしています。 ・メールチェックと送信・返信は原則1日1回 ・テンプレ化して差し支えない文面は、テンプレ化する ・即レスにはこだわらない 職業によっては、メールの着信は音で通知させ、即レスを徹底すべきところもあるでしょう。しかし、ライターという職業は、たいがいはその必然性はないものです。 また、執筆を生業(なりわい)とする者として、文面は毎回オリジナル性を出すというこだわりもありました。しかし、これを続けるメリットはほぼなく、校正原稿のやりとりのようなルーティンは、文面を完全にテンプレ化しました。 そのようにルールを変えても、業務上差し障りがあるといったことは一切なく、かつ業務の時短につながっています。 みなさんにも、こうした「よく考えてみたら、やる必要はなかった」というタスクは、いくつもあるはずです。まず、今日1日の業務を棚卸しして、見直してみてはいかがでしょうか? ポイントは、ほぼ成果につながっていないけれど、「仕事をやっている感」は味わえるものです。きっと、3つ4つ出てくるはずです。 それをやめる決定権を持っているなら、さっさとやめてしまいましょう。しがらみ的にやめにくいものは、上司や取引先などキーパーソンと相談してみましょう。