韓国、自動車輸出が過去最大、内需は萎縮…下半期もSUV人気続く
今年の韓国自動車産業は輸出が過去最大となり、国内販売はマイナス成長すると予想された。上半期の輸出を牽引したSUVの人気は下半期も続くとみられる。 自動車モビリティー産業協会(KAMA)は23日、報告書「2024年自動車産業上半期評価および下半期展望」でこのような見通しを示した。 今年上半期の自動車内需市場は不振だった。KAMAは上半期の国内販売を80万台と推定した。これは前年同期比10.7%減。KAMAは「景気不振と高金利で新車の需要が鈍化した」と分析した。韓国の政策金利は昨年2月に0.25%引き上げて以降、現在まで3.50%を維持している。韓国開発研究院(KDI)は11日、『経済動向6月号』で「最近の韓国経済は輸出増加で景気がやや改善しているが、内需は高金利基調が続いて回復傾向が可視化していない」と評価した。 半面、上半期の自動車輸出は好調だった。KAMAは上半期の輸出を前年同期比2.7%増の150万台と推定した。産業通商資源部によると、先月の自動車輸出額は前年同月比4.8%増の65億ドル(約1兆380億円)で過去最高となった。このうち北米市場の輸出額は40億ドルで前年同月比36%増。輸出を牽引した主力車種はSUVだった。今年1-5月の輸出上位車種10件のうち8件がSUVだった。トラックスクロスオーバー(12万5636台)、コナ(9万9287台)、トレイルブレイザー(8万4122台)などが輸出車種上位を占めた。 ただ、欧州市場では韓国車が苦戦した。今年1-5月の現代車・起亜の欧州市場販売台数は前年同期比1.5%減の46万1758台だった。販売台数の減少で現代車・起亜の1-5月の欧州市場シェアは前年の8.8%から今年は8.3%に減少した。大徳大のイ・ホグン未来自動車学科教授は「現代車・起亜が欧州市場で苦戦する理由は電気自動車の成長ペースが鈍ったため」とし「下落幅が大きくなかったのはハイブリッド車のおかげ」と分析した。 こうした流れは下半期にも続く見通しだ。KAMAは「景気不振で消費心理が萎縮し、国内の自動車新規需要は制限されるが、グローバル主要市場の堅調な成長で輸出は小幅増加するだろう」と予想した。特にSUVとエコカー(電気自動車・ハイブリッド車)が輸出を牽引し、昨年の過去最大輸出額(938億ドル)を更新すると分析した。KAMAは「下半期は内需が84万台(前年同期比-0.9%)、輸出が140万台(4.2%増)で、今年の年間自動車輸出額は980億ドル(4.4%増)に達するだろう」と予想した。 もちろん変数もある。急変する国際情勢は自動車輸出に不安要素だ。最近はイエメン・フーシ派事態、イスラエル-イラン衝突など地政学的リスクが高まり、海上物流コストが増えている。中国電気自動車を牽制するための主要国の関税引き上げも輸出の不確実性を高めている。欧州連合(EU)は12日(現地時間)、中国産電気自動車に対して17.4%-38.1%(暫定値)の関税を追加で賦課することにした。米国政府も先月、中国産電気自動車に対する関税を4倍(25%→100%)に引き上げると発表した。 姜南勲(カン・ナムフン)KAMA会長は「主要先進国の保護貿易主義が拡大していて、地政学的リスクで海上物流支障が長期化するなど、市場をめぐる外在的変数が増えている」とし「長期的に自動車および部品企業がグローバル競争力を備えるためには国家戦略技術税額控除と臨時投資税額控除の期限を延長するなど投資インセンティブが拡大するのがよい」」と話した。