稲垣吾郎と草彅剛、スタッフ、上野樹里&和田唱夫妻まで 香取慎吾が考える“パートナー”の関係性
香取慎吾が、雑誌『週刊文春WOMAN』2024秋号(文藝春秋)にて、第23弾となる表紙画を描き下ろした。秋色の背景に浮かび上がったウサギとカメのシルエットが印象的な今作。そのタイトルは「Partner」だ。 【写真】「Black Rabbit」について語る香取慎吾 「恋愛、結婚、友人、仕事……。今回はいろいろなパートナーシップを考える特集だと聞いて、僕の中で行き着いたのが、“ウサギとカメ”だったんです」とインタビューで語っていた香取。寓話『ウサギとカメ』では、山頂のゴールに向かってウサギとカメが競争をする。ウサギはその脚力を活かして大幅なリードを取るものの、油断をして昼寝をしてしまい、コツコツと進んだカメに負けてしまうというストーリー。そんな2匹の関係性に“パートナー”を感じるというのは、実に香取らしいセンスだ。 「2匹はそもそもなぜ競争したんだろう」という香取の視点にハッとさせられた。そう、物事にはすべてバックグラウンドがあるのだ。そして、その語られていない背景に思いを巡らせれば、物語の印象が大きく変わることも……。 もし、このウサギとカメの競争が何年も何十年も続けている2匹の遊びだったとしたら? いつもはウサギが先に行って安全な道であることを確認して、カメが来るのを昼寝をしながら待っていたのだとしたら? そんなお約束があったうえで、今日はカメがウサギの驚く顔が見たくて起こさずにひとりでゴールしたのだとしたら?――そんな想像が広がるほどに、2匹が単純なライバルだったとは思えなくなる。 「僕自身のパートナーシップを考えると、『感覚が合う人と仕事をする』『同じ考えだから一緒に目標に向かっていく』というよりも、『違う感覚、違う考えがあるからこそパートナーになる』という感じが強いんですよね」と続ける。そして、「僕にはやっぱりウサギとウサギより、ウサギとカメのほうが何かが生まれる感じがする」とも。 その言葉に香取が幼い頃から活動してきた“アイドルグループ”という特殊な環境が、大きく影響しているのではないか、と考えてしまった。トップを目指すという意味では同志となるが、一人ひとりの個性を光らせることも求められる。特にSMAPというグループは、先駆けてバラエティに挑戦したアイドルだったこともあり、その一人ひとりのキャラクターや強みをフルに発揮した活動を求められてきたように思う。 そんな彼らの関係性を振り返ると同時に、9月14日に香取が稲垣吾郎、草彅剛とともに音楽番組『with MUSIC』(日本テレビ系)に出演した際に、稲垣から語られた初出しのエピソードを思い出した。それは、稲垣を除くメンバーでライブ映像を観ていた時、いわゆるアイドルらしい笑顔を見せない稲垣に対して「こういうメンバーがいてもいい」と草彅が言ってくれたのが聞こえて嬉しかったというもの。 一般的に“パートナー”と聞くと、足並みを揃えて進む二人三脚の相方のような存在を思い浮かべがちだ。そのイメージに縛られると、次第に「なぜ揃えないんだ」「なぜ同じようにしないんだ」と違和感ばかりが目立つ。“話し合いが大事”とは思いつつも、自分の意見を通して相手をやりこめることが目的になってしまうというのもよく聞く話。だからこそ、「こういうメンバーがいてもいい」のラインを引くことができていた彼らのしなやかなパートナーシップに、惚れ惚れしてしまう。 「冷たく聞こえるかもしれないけれど、理想は愛を持ったうえでラインがある関係」とは、香取が今回語った理想のパートナー関係。先述したエピソードと照らし合わせても「それが一番自然にできているのが草彅(剛)で」というのも納得だ。そして「(稲垣)吾郎さんはどうかな(笑)。こんなに長く一緒に居るんだもの、できているよね」と笑いを誘うことができるのも、彼ららしいパートナーシップだとあらためて実感する。