FRBが重視するインフレ指標、「不安和らげる」内容に-CPI後
(ブルームバーグ): 米金融当局がインフレ指標として重視する個人消費支出(PCE)コア価格指数は、今週発表された消費者物価指数(CPI)よりも弱めな数字となりそうだ。CPIは予想上振れとなり、金融市場を揺るがしていた。
3月のPCEコア価格指数は前月比0.2%か0.3%上昇となったもようだと、複数のアナリストが11日に指摘。同日に公表された3月の米生産者物価指数(PPI)を受けた見方だ。
10日発表された3月のCPIでコア指数は前月比0.4%上昇。予想を上回る伸びとなり、市場は米利下げ開始時期の予想を後ずれさせた。
PPIとCPIの多くのカテゴリーがPCEに反映されるため、エコノミストはこれらの公表後に予測を固める傾向がある。3月のPCE統計は4月26日に発表される。
パンテオン・マクロエコノミクスのチーフエコノミスト、イアン・シェファードソン氏は「これらの数字が米金融当局の考え方を根本的に変えることはないだろうが、多少の不安は和らぐはずだ」とPPI公表後にリポートで指摘した。
PCEに反映されるヘルスケアサービスなどPPIデータの主な項目は、今回小幅な伸びにとどまり、PCEも弱めの数字になるとの見方が強まった。ポートフォリオ運用サービスや自動車保険に関連したカテゴリーも低調だった。
シェファードソン氏は3月のPCEコア価格指数について、前月比0.28%上昇と予想。ただし「PPIとCPIをPCEに反映させる上で誤差が避けられないことを踏まえれば、0.2%上昇となる可能性も排除できない」と記した。
ゴールドマン・サックス・グループとシティグループ、JPモルガン・チェース、サンタンデールUSキャピタル・マーケッツもPCEコア指数について丸めて0.3%上昇という同様の予測を示した。オックスフォード・エコノミクスの米国担当エコノミスト、マシュー・マーティン氏とキャピタル・エコノミクスのポール・アシュワース氏は0.2%上昇を見込んでいる。