米FRB、銀行ストレステスト刷新へ-資本要件水準の変動を平準化
(ブルームバーグ): 米連邦準備制度理事会(FRB)は大手銀行を対象に毎年実施しているストレステスト(健全性審査)を刷新する。23日に提案の概要を発表したもので、年ごとの資本要件水準の変動を平準化する。
それによれば、リセッション(景気後退)想定の下での損失・収入や資本水準などを推計し、大手銀行の回復力を評価する年次ストレステストの結果は2年間で平均化する。また、毎年の想定シナリオについて意見公募を行った後、最終的に確定する。
FRBは発表文で「こうした変更の提案は全般的な資本要件に大きな影響を与えるものではない」と説明。法環境の進展や行政法の枠組み変更の潜在的影響に備えるものだとしている。
FRBなど米金融規制当局はトランプ次期政権や銀行業界からの規制緩和要求の圧力に直面している。連邦最高裁は先に不透明な法律の解釈に当たっての行政府の権限を大幅に制限する判断を下したほか、銀行側はストレステストへのFRBのアプローチが曖昧だとロビー活動で主張してきた。
ワシントンに拠点を置く業界団体の銀行政策研究所(BPI)は、FRBのストレステスト刷新に関する議論に加わる機会を歓迎するとともに、他の改善点を提案する計画だとする声明を発表した。
FRBはストレステスト見直しの可能性についての意見公募プロセスを2025年の早い時期に開始する方針。
原題:Fed Seeks to Smooth Capital Changes in Bank Stress Tests (1)(抜粋)
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Katanga Johnson