歌舞伎座で初、F1のPVに市川團十郎「いつもと違う臨場感」 舞台上のF1カーに「斬新ですね」
歌舞伎座前には2021年型のF1カー『RB16B』を展示
歌舞伎俳優の市川團十郎、長男の市川新之助が24日、東京・中央区の歌舞伎座で行われた「F1ラスベガスGPパブリックビューイベント『Live screening of the FORMULA 1 HEINEKEN SILVER LAS VEGAS GRAND PRIX 2024 in KABUKI-ZA TOKYO』」に登場し、F1日本グランプリアンバサダーに就任した。 【写真】会場に展示された2021年型のF1カー『RB16B』 Formula 1(F1)は1950年に始まった世界最高峰の自動車レース。2024年は世界21か国を転戦し24レースが行われ、各レースの順位によって与えられる点数の総計でチャンピオンを決定する。会場となる各国のサーキットでは合計で400万人以上が観戦し、世界170以上の地域で放送され、23年には15億人が視聴している。F1日本グランプリは、1987年に三重・鈴鹿市の鈴鹿サーキットで第1回が開催された。21年に世界187か国、16万7000人を対象に行われたF1の調査では、世界のグランプリ人気投票でトップ5にランクインしている。 25年4月にF1日本グランプリの決勝が鈴鹿で開催されることから、團十郎がアンバサダーに就任。今回は歌舞伎座初となるF1のパブリックビューイング(PV)が開催され、アメリカ・ラスベガスで現地時間23日22時にスタートする『FORMULA 1 HEINEKEN SILVER LAS VEGAS GRAND PRIX 2024』を、歌舞伎座のステージに用意されたスクリーンで観賞する。同レースは24レース中の第22戦。チャンピオン決定の可能性がある重要なレースとなる。 歌舞伎座前にはレッドカーペットと共に2021年型のF1カー『RB16B』が展示され、ファンや通りがかる人々がカメラを向けた。歌舞伎座でのパブリックビューイング情報が解禁されてから6300人にのぼる問い合わせがあったといい、会場には1800人が集まった。 パブリックビューイング前には、團十郎がF1カーに囲まれた舞台で舞踊『延年之舞』を披露。さらに新之助と共にレーシングドライバーの佐藤琢磨を招きトークショーを行った。 團十郎は父の十二代目團十郎さんがF1好きだったと明かし、「子どもの頃に何度もグランプリを見ていたので、(F1カーが目の前にあって)感動しますね。松羽目の前にあるとは斬新ですね」と喜び。新之助はF1カーを見ながら「乗ったら怖そう。でも1回乗ってみたいな」と語り、「オンラインでも見たことがないので、現実で見てみたいです」とサーキットでの観賞にも興味を示した。パブリックビューイングについて團十郎は、「みなさんと歌舞伎座で一緒に見られることは、いつもと違う臨場感があるのではいかな」と語った。 F1が来年75周年を迎えることから、團十郎は「どんな時代も、守っていくものと、新しい時代に合わせて研究されて攻めていくものがある。どんな世界でも一緒なのではないでしょうか」と語り、「今日(F1カーを)拝見して、時代や進化を感じました。向き合う方々の技術を感じました」としみじみ。「(歌舞伎も)伝統を守ることを一番大事にしていますが、『それだけではいけない精神』は忘れてはいません。常に前に進もうとすることが、伝統文化としては“現状維持”につながる」と語ると、佐藤は「それは我々も一緒です。技術に対して『これでいいだろう』となった瞬間に停滞する。常に前に進んでいく」と賛同した。 團十郎は25年4月のF1日本グランプリに向けて、「来年4月の鈴鹿の方では、アンバサダーということで歌舞伎を披露します。鈴鹿の方にいらっしゃっていただけたら幸いです」と呼びかけた。
ENCOUNT編集部