「結婚するの?」木更津へ移住した小野真弓(43)の戸惑いと覚悟「仕事が減ってもなんとかなる」
■「仕事がなくなってもなんとかなる」と決めた覚悟 ── 芸能界は入れ替わりが激しい世界だと思います。少し都心から離れることに迷いはありませんでしたか? 小野さん:引っ越すこと自体に迷いはありませんでした。ただ、仕事の内容によっては引き受けにくくなるものはあるだろうなと、覚悟はしていました。たとえば、舞台などは毎日、稽古があります。稽古場までの移動には時間も交通費もかかりますから。でも、海外に住むわけでもないし、通おうと思えば通える距離です。負担は増えるけど、本当にやりたい仕事だったら、気合でどうにでもなると思っていました。
それに、「仕事がなくなるならそれまでだ」と腹をくくっていた部分もあります。動物の保護活動もしているので、動物たちはちゃんと養わないといけません。アルバイトでもなんでもすれば、なんとかなるだろうとも感じています。 ── とても芯がしっかりしているんですね。若いころからそうした確固とした考え方をされていたのですか? 小野さん:基本的には変わっていないかもしれません。もちろん若いころは周囲の意見に振り回されたり、素晴らしい活動をしている人を見て「自分はこれでいいのかな」と迷ったりすることもありました。でも、誰かのアドバイスに従って、うまくいかなくても誰も責任を取ってくれないんです。結局、「自分の人生は自分で責任をとるしかない」という結論に達しました。本当にやりたいことに取り組んで、結果的に失敗しても、それはそれで意味があることだし、新しい道が拓けるきっかけになると考えています。
■「小学校で話すことも」地域の活動も自然な流れで ── 木更津市の生活は、どんなところが魅力ですか? 小野さん:自然を身近に感じられるところです。季節の変化を肌で感じられるし、広々として気持ちがいいです。5月になると、あちこちでツバメが巣を作る様子が見られます。ヒナが成長していく姿も見られて、巣立ちのころは飛ぶ練習をするのを眺めることもできます。直売所があって新鮮な野菜が安く買えるのも嬉しいですね。あとは、人と関わることが増えました。東京でも、もちろん人との交流はありましたが、木更津では地域猫活動をしていて、その活動を自治体の下部組織にしてもらい、地域の方たちと一緒に活動しています。