グーグルのジレンマ…クラウドのヒット抱えたAI、検索は振るわず
グーグルの親会社アルファベットがクラウド部門の成果に力づけられ過去最大の四半期実績を上げた。しかし核心収益源の検索広告実績成長が鈍化しており未来に対する懸念も大きくなっている。 アルファベットは29日、7-9月期に売り上げ883億ドル(約13兆5368億円)を記録したと明らかにした。前年同期の767億ドルから15.1%の増加で、四半期売り上げ基準では過去最大だ。7-9月期の純利益は263億ドルで、昨年7-9月期の197億ドルより33.5%増えた。同じ期間に1株当たり純利益は1.55ドルから2.12ドルになった。 これは市場調査会社LSEGが集計した売り上げ見通し863億ドル、1株当たり純利益1.85ドルを大きく上回る数値だ。サプライズ業績のおかげでこの日のナスダック市場でアルファベットの場外取引価格は終値の171.14ドルより5.89%上がった181.22ドルを記録した。 業績上昇を牽引したのはクラウドだった。7-9月期のグーグルクラウドの売り上げは114億ドルだったが、これは昨年7-9月期の84億ドルより35.7%増えた金額だ。クラウド分野は生成人工知能(AI)市場が急成長して最も大きな恩恵を受けている。この日グーグルのスンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は「クラウドでわれわれの技術リーダーシップとAIポートフォリオは新たな顧客を誘致し、大規模取引を成功させ、既存顧客の製品導入を30%拡大するのに役立っている。この事業は真の推進動力を持っており、顧客が生成AIを受け入れるにつれ全般的な機会が増加している」と話した。 広告売り上げもやはり最大業績記録に力を加えた。検索広告が494億ドルで前年同期比12.3%増、ユーチューブ広告が89億ドルで11.3%増えた。検索広告売り上げはアルファベットの総売り上げの55.9%を占めた。 過去最大の業績を記録したが、見通しは明るいばかりではない。IT業界ではこの日の業績発表結果に対して2つの側面で懸念している。 まずは検索広告分野の成長鈍化の兆しだ。7-9月期の検索広告売り上げ494億ドルは4-6月期の485億ドルから1.85%増加した。4-6月期の検索広告売り上げ成長率4.95%の半分にも満たなかった。最近のAI検索分野の成長はグーグル最大の収益源が揺らぎかねないという不安感を育てている状況だ。 司法リスクもやはり潜在的火種として残っている。8月に米連邦裁判所がグーグルを反独占企業と判決してから、米司法省は最近グーグルを分割する内容まで含んだ処罰案を裁判所に提出した。ピチャイCEOはこの日「われわれはこの事件を強力に弁護する計画」と話しながらも「(司法省の案は)躍動的な技術部門と米国のリーダーシップに予想できない結果を招くことになる」と話した。 グーグルは未来成長動力として自動運転サービスとAI検索を強調した。ピチャイCEOは「現在(自動運転タクシーサービスである)ウェイモは毎週100万マイル(約161万キロメートル)以上の完全自動運転をしており15万件以上の有料乗車を提供している」と話した。今年発売したAI検索サービスのAIオーバービューも徐々に成果を出している。ピチャイCEOは「初めてテストしてから18カ月間ハードウエア、エンジニアリングと技術的革新を通じてクエリーあたりの費用を90%以上削減した」と話した。