トヨタの2024年4~6月期決算、過去最高の売上高 認証不正の影響は軽微
トヨタ自動車が1日に発表した2024年4~6月期連結決算(国際会計基準、IFRS)は、売上高に相当する営業収益と各利益項目が同期として過去最高を更新した。認証不正や品質問題で国内販売が落ち込んだものの、ハイブリッド車(HV)の販売増や円安が収益を押し上げた。新たに発覚した認証不正の影響は限定的とみて、期初の通期見通しは据え置いた。 売上高は前年同期比12.2%増の11兆8378億円となり、3年連続で過去最高を更新した。売上高を左右する連結販売台数は、国内の生産停止影響や「足場固め」活動による減産で同3.2%減の225万2千台となったが、HVの販売増や値上げ効果などで相殺した。電気自動車(EV)などを含む電動車は主に海外市場で販売を伸ばし、同23.9%増の107万5千台と大台を超え、販売比率も43.2%となった。 営業利益も同16.7%増の1兆3084億円と2年連続で増えた。為替は1㌦=156円と前年同期から19円円安となり、為替変動影響は3700億円のプラスとなった。さらに原価改善効果で950億円、価格改定やバリューチェーン収益で700億円のプラスとなり、販売台数減による500億円や労務費上昇による750億円などのマイナス要因をカバーした。 31日に新たな認証不正が発覚し、国土交通省から是正命令を受けたが、業績への今後の影響について山本正裕経理本部長は「軽微だ」と述べた。期初に示した通期業績予想の売上高46兆円、営業利益4兆3千億円を据え置く。一方、生産停止の影響を受けた仕入れ先や販売店に対しては「寄り添っていきたい」(同)と話し、対策費用についてトヨタ側で負担を検討していること明らかにした。