ヒグマ「春期捕獲」狩猟者育成の場に 北海道2年目成果 熟練者が現場でアドバイス
ベテランの技術や知識を継承
半面、熊の捕獲を経験したり、熟練の狩猟者から現場で指導を受けたりした狩猟者は着実に増えた。道の求めに応じ、市町村が熟練狩猟者に同行させた初心者の数は延べ900人に上り、前年の2倍近くに相当する。 ヒグマのような大型獣の捕獲に欠かせないライフル銃などの猟銃免許の道内の所持者数は22年度時点で6838人。高齢化を背景に、年間400人程度が免許更新を見送る一方、同規模の新規参入があり、直近5年の免許所持者数は横ばいで推移する。 道内では乳牛を相次ぎ襲ったヒグマ、通称「OSO(オソ)18」を含め各地で多くの被害が出る中、道は、ベテランの狩猟者が培ってきた技術や知識の継承を重視。ベテランに同行するという現在の枠組みを今後も続け「若い世代を中心に捕獲経験者を増やしたい」(同室)と構想する。 さらに、初心者向けに、ヒグマの生態を学ぶ講習会を新たに開くなどして、捕獲技術の向上を後押しする考えだ。(松村直明) <ことば> 春期管理捕獲 ヒグマが冬眠から明け始める2月以降、狩猟者を出動させて捕獲する。雪が残っていて足跡が見つけやすく、周囲の見通しも良いため、道は、比較的安全に捕獲できるとしている。
日本農業新聞