ボストン連銀総裁、年内想定の利下げ減る可能性も-確信得るのに時間
(ブルームバーグ): 米ボストン連銀のコリンズ総裁は、緩和開始に向けた確信を得る上で、これまでの予想以上に時間を要するかもしれないと述べ、今年見込まれる利下げが少なくなる可能性を示唆した。
コリンズ総裁は最近のデータから金利調整の「差し迫った必要性」を巡る懸念は和らいでいると述べる一方、引き続き年内に利下げが始まるとの予想を示した。
総裁は「全体として、最近のデータは私の見通しを大きく変えるものではないが、時期に関する不確実性と忍耐の必要性を浮き彫りにしており、インフレ鈍化が今後も一様でないことが想定される」と指摘。「これはまた、正当化され得る今年の政策緩和が従来考えられていたよりも少ないことを示唆している」と続けた。発言は11日のエコノミック・クラブ・オブ・ニューヨークのイベント向けに準備された事前原稿に基づく。
総裁は「入手するデータから、金融政策スタンスを見直す必要性が迫っているとの懸念は和らいでいる」と指摘。「経済活動が緩やかになり、インフレ率が目標まで持続的に低下するには、以前考えられていたよりも時間がかかるかもしれない」と述べた。
「緩和の切迫性」が低い理由として、雇用市場の底堅さや金融政策が想定ほど景気抑制的ではないかもしれないとの疑問に言及した。
さらに「忍耐強く整然としたアプローチ」の必要性を強調。金融政策はあらかじめ決められた道筋をたどっているわけではなく、金融当局は上振れと下振れ双方のリスクを管理する上で「十分な態勢」を維持していると述べた。コリンズ総裁は今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持たない。
原題:Fed’s Collins Says Data May Warrant Later, Fewer Cuts This Year(抜粋)
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Alex Harris