パリ五輪でドローンでのスパイ行為発覚、調査終了しカナダ女子代表のプリーストマン監督ら3名が解雇
カナダサッカー協会(CSA)は12日、パリ・オリンピック期間中に発覚したドローンの不正使用問題の独立調査の結果を発表。停職処分を受けていたカナダ女子代表のビバリー・プリーストマン監督(38)が解雇されることとなった。 また、アシスタントコーチのジャスミン・マンダー氏とアナリストのジョセフ・ロンバルディ氏も解雇されている。 問題が発覚したのはパリ・オリンピックの試合に向けたトレーニングでのこと。7月222日にニュージーランド女子代表がドローンでトレーニングを撮影されていることを報告。その結果、カナダ女子代表の非公認のアナリストであるロンバルディ氏がドローンを飛ばしていたことが判明。アシスタントコーチのマンダー氏と共にチームを外されることとなった。 また、プリーストマン監督に対しても、調査が終わるまで職務停止処分が下されており、カナダオリンピック委員会(COC)は監督をオリンピックの代表団から外すことも決定。国際サッカー連盟(FIFA)はパリ・オリンピックでの勝ち点6の剥奪と20万スイスフラン(約3500万円)の罰金処分と共に、プリーストマン監督に1年間の活動禁止処分を下していた。 CSAは、この件について独立委員会を設置して調査をスタート。女子代表チームのコーチ陣、男子代表チームのコーチ陣、選手、本社スタッフ、元従業員、カナダサッカーのCEOおよび取締役会長など、組織全体および関連知識を持つその他の個人からの証拠が検討されたという。 この結果、「女子代表チームのコーチのうち2人が、女子代表チームのコーチ陣の3人目のメンバーがパリオリンピックで対戦チームの練習をドローンで撮影する行為を指示、承認、容認していた」ことが確認されたものの、撮影された映像は選手たちには見せていなかったという。 また、男子代表チームの元監督によるカナダサッカー行動倫理規定の潜在的な違反が確認されたようだ。 加えて、アシスタントコーチやスタッフの中には、対戦相手へのスパイ行為に不快感を覚えていた者もいたようだが、監督の権威に異議を唱えることはできなかった者もいたとのこと。東京オリンピックでは新型コロナウイルス(COVID-19)による厳しい監視体制もあり、スパイ行為は確認されなかったようだ。 これまでもスパイ行為のために一部のコーチやスタッフのみが知る中で、ドローンが使用されていたとのこと。CSAは、この結果を受け、前述の3名は職務に復帰することはなく、新監督やコーチングスタッフの選定をスタートさせるとした。
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