「ヤバイ、取引先が倒産した」…〈倒産の連鎖〉を回避して自分の会社を守る、“ひとり社長”必見の制度とは【税理士が解説】
自分だけで会社を経営する「ひとり社長」にとって取引先の倒産は致命的。倒産の連鎖に巻き込まれて自らも倒産してしまうリスクは絶対に避けたいものです。本記事では、『【超完全版】マンガでわかる 手取り倍増!ひとり社長の世界一ゆるい節税』(KADOKAWA)より一部抜粋・編集して、著者のはたけ氏・なちぼぅ★氏が、倒産リスク対策として活用できる制度について詳しく解説します。 【早見表】年収別「会社員の手取り額」
Q.倒産リスクを抑えたい そのために適した制度はある?
A. 経営セーフティ共済は貯蓄と節税を両立できる ・取引先の倒産リスクに備える ・掛金は全額経費にできる ・事業資金を貯める手段になる
取引先の倒産リスクに備える
ひとり社長は、取引先の経営悪化や倒産などによって売上の回収が滞り、連鎖的に倒産リスクにさらされる可能性があります。それを防ぐための制度が経営セーフティ共済です。 経営セーフティ共済は、事業主であるひとり社長が毎月の掛金を設定し、資金を積み立てていく仕組みです。掛金は月5,000円~20万円までの間で選ぶことができ(5,000円刻みで設定)、最大800万円まで積み立てることができます。 また、取引先が倒産するなどして売上(売掛金)が回収できなくなった場合は、その取引内容が確認されれば、回収できなくなった売掛金の金額、または払い込み済みの掛金総額の10倍(最高8,000万円)の少ないほうの金額まで、無担保・無保証人で資金を借りることができます。
掛金は年460万円を上限に全額経費にできる
節税効果としては、月々の掛金をすべて経費にでき、その分だけ課税対象となる利益を圧縮できます。通常1年で経費にできる金額は240万円(月の掛金の上限20万円×12か月分)で、期末にまとめて経費にすることもできます。月払いと一括払いを併用すれば、最大で年460万円を経費にすることができます。 また、掛金の減額と増額はいつでも申請できます。経営セーフティ共済は積立限度額が最大800万円までと決まっているため、利益が多い期は掛金を増やして多く積み立て、利益が少ないときは掛金の最低金額である5,000円に変更すると節税効果をより高めることができます。