左に行かないから叩けて飛ぶ! プロギア「RS F ドライバー」を徹底分析【ガチ試打計測・動画あり】
「操作性が良さそうとの印象通りの、スピンが抑えられた弾道ですね。以前使っていた2つ前の『RS』は、もう少しつかまる感じがあったけど、ただ新しいほうが、打った感じは進化していて、より扱いやすくなっているように感じます。打感は以前の『RS』と似ていて、潰れてバーンというより、どちらかというとしっかり弾き系の打感で、初速が出そうな感触ですね。シャフトの重さもヘッドスピード45m/sくらいが適当な重さと硬さなのかなと思います」というのが癸生川プロの打った感想だ。 この発言とデータを見て何かを感じた小島プロは、癸生川プロに問い掛けた。 小島 メーカーさんは真ん中から先の剛性を高めておいて。いわゆる“叩ける”ような仕様ということなんですけど。打った感じ、その辺りはどうですか? 癸生川 確かに、叩いても左に行かないなとは思う。 小島 スピード帯をもっと下げても打てそうですかね? 癸生川 いやぁ、僕は厳しいんじゃないかなと思います。
ヘッドスピード45m/s前後でトウヒットを検証
適正ヘッドスピード帯が45m/s前後であるとの判断で、次はそのスピード帯でオフセンターヒットした時の、球のつかまりや弾道への影響についてチェックした。 【トウヒット時のデータ】 トラックマン4 クラブスピード●43.8m/s ボール初速●65.0m/s 打ち出し角●9.9度 スピン量●1876rpm 降下角●23.6度 キャリー●211.7Y 飛距離●256.0Y 打ち出し方向●5.1度右 スピンアクシス●2.1度右 SIDE●18.9Y右 GCクワッド Hインパクト●16ミリトウ Vインパクト●2ミリ低
試打後の癸生川プロの「トウに当たると、ちょっとしんどい感じがするな。球が飛ばない気がする」という印象を受けて、小島プロがデータを基に分析する。 小島 打ち出しの高さが9.9度でスピン量が1876rpmですから、仰るとおり球が浮き切らない印象です。(弾道の方向は)5.1度右に飛び出して、そこから2.1度右に傾いている。つまりトウヒットしてもギア効果でドロー系スピンがかかるというよりも、そのまま右に行くという感じの飛び方で、最終的なキャリーの方向も18.9ヤード右に行っています。この結果を見ると『寛容性』という意味では、そんなにないのかなという印象です。 この小島プロのデータ分析を受けて、この『RS F』 の特性の興味深い分析を二人がやっていく。 癸生川 ギア効果の影響が少ないということは、『操作性が良い』とも言えるわけじゃないのかな。球が戻ってくる、戻って来ないという操作を自分でやる、その操作がしやすくなるというか。 小島 今、癸生川プロが言わんとしたことは、自動車に例えるとマニュアルの車みたいなもので、オートマチック車のように操作の補助が少ないので、つまり、打ったまんまの球が出るということですよね。 癸生川 そう。だから、球の操作を自分でやりたい人には、合っているクラブだと思う。 小島 クラブの機能が進化してミスがミスにならないようになると、ゴルファーの技術が落ちると言われることがあるけれど。そういうミスが分かりやすい、ゴルファーの技量が試されるクラブと思います。この手のクラブは最近、あまり見かけなくなりましたね。