元大使「泣けてくる」在外公館のXフォロワー数 500人以下が「27」もあった【独自調査】
在外公館の外交官の仕事は人脈の構築と情報収集だけではない。その国の言葉で、その国の人々の心に響くメッセージを発信するのも大事な任務だ。さぞやSNSを駆使し、親日派を増やす取り組みに精を出しているかと思いきや… 【動画で見る】中国に弱気、トランプと会えない 弱腰のニッポン外交を変えるには【激論コロシアム】 「在外公館」は外国にある日本大使館、総領事館、政府代表部のことで、現在、世界各地にあわせて233カ所ある。このうちXのフォロワー数が500人以下と少ない在外公館は「27」(2024年10月末)もあることがテレビ愛知「激論!コロシアム」の独自調査で判明した。
Xフォロワー数500人以下が「27」も!
その1つが、在カタール日本国大使館。カタールはLNG=液化天然ガスの生産大国で、日本にとって重要な輸入先なのに、本田剛文さん(BOYS AND MEN)が調べてみると… 本田剛文さん: 「Xフォロワー数は186人、開設から6年たつのに通算29件のポストです。あまりXは動かしていない印象です」 同じカタールにある他の国の大使館と比較すると、イギリスは2万3000人、フランスは1万2000人と桁違いのフォロワー数だった。
元大使「泣けてくる・・・」
この調査結果に、番組に出演した前駐オーストラリア特命全権大使の山上信吾氏は「こういう話を聞くと、泣けてくる」と本音をポロリ。「外務省でもSNSを活用しようという声は数年前からかなり大きくなってきたが、現場でしっかりと遂行されていない」と残念がる。 山上氏によると、対外発信が不十分なのはSNSの活用だけではないという。 前駐オーストラリア特命全権大使 山上信吾氏: 「現地の新聞やテレビのインタビューに応じることも大使の仕事なのに、これも激減している」 外交の最前線にいながら、日本のメッセージを伝える努力を怠っているなら深刻だ。
一方、現代ビジネスの編集次長、近藤大介さんは、国内向けの情報発信も少ないという。 強い外交をするには、国民の理解と支持が不可欠だが、近藤さんによると「外務省は他の省庁と比べてとにかく隠そう、隠そうというイメージだ」と閉鎖的な体質を問題視する。 国内と海外向けの情報発信。その弱体化は激動の時代、国益を危うくしかねない。
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