ネガティブ思考を断ち切るための、シンプルな3つの戦略
物事のいいところには目を向けず、悪いところばかりを呪う。これは人間の得意技の1つです。それは人間の性なのでしょう。
「マインドフルネスの応用」でネガティブ思考を断ち切る
こんな話を聞いたことはないでしょうか。 ある大学教授が授業中に、黒い点が1つ描かれた白い紙を学生に見せ、今見たものの説明を、1段落にまとめて書くように指示しました。 黒い点の位置や、その特質について書く学生。光に割り込む闇の容赦ない存在感について、哲学的熟考をめぐらせる学生。あるいは、詩的な表現で、人生には不完全さが避け難いことを嘆く学生。 そして、学生たちの回答に目を通した教授は、こう言いました。 全員が注意を向けたのは、1つの黒い点のほうでした。それが紙の上で占めている割合は、1%にも満たないというのに、です。 1つの小さな点を除けば無傷なままの、紙の白さについて考えた人は誰もいませんでした ダークサイドに目を向けることを私たちに強いているのは、いったい何なのでしょうか? 観察の結果からわかるのは、これは習慣によって身についた選択だということです。「指先のささくれ」や「傾いた絵」に注意が向いてしまうのもそうした例です。 もしこれが習慣なのであれば、この習慣はマインドセットのシフト(頭の切り替え)、つまり少しばかりの「マインドフルネスの応用」と自己鍛錬で、断ち切ることができるかもしれません。
捉え方は私たち次第
たとえば、雨の日には頭を切り替えて、じめじめを呪うのではなく、大地に命の恵みをもたらすその水に感謝します。 雪の日には寒さを恨むのではなく、そり滑りができることや、学校や会社が休みになることに感謝します。 夏の太陽が照りつける日には、エアコンに感謝しつつ、エアコンなしで何千年も生き延びてきた先人たちに敬服します。 家の中でエアコンのドライで冷たい空気に慣れきってしまったら、ポーチに出て、明るさと暖かさを思う存分楽しむことで、頭を切り替えましょう。 そしてそのときは「The Ethical Lexicon(倫理的な用語集)」の“apricate”という単語に思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。 apricate(ap·ri·cate /ap-rə-kate/アプ・リ・ケイト)動詞 意味:太陽の光を浴びる “apricate”という言葉は「日光を浴びる」という意味の古語で、もともとは「発見する」「さらけ出す」「明らかにする」を意味するラテン語の“aperio”に由来します。 一方、スペイン語の“abrigo”と“abrigado”は、同じく“aperio”を語源としながらも、その意味が真逆で「覆われた」「守られた」「保護された」を意味します。この点も非常に興味深いことです。 一方では、太陽の光はすべてを明らかにし、むき出しにします。 文字どおりの意味で、それは夜の闇を追い払います。比喩的に言えば、太陽は夜明け前の曖昧な混沌を追い払うのです。 他方で、太陽は私たちを寒さから守ってくれます。 文字どおりの、あるいは比喩的な「冬のつらさ」のなかにいる私たちをあたためてくれるわけです。 私たちは太陽(あるいはほかのどんなものでも)と、どのように向き合うべきなのでしょうか? 多くの場合、それは私たち次第です。 頭を切り替えれば、太陽の不快な点に執着するのではなく、その明るさと暖かさに浴することができます。