報道陣が騒然、バンテリンで4階席弾も… “豪州のスタントン”が夢見るNPB「できたら最高」
ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12
野球の国際大会「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」は13日、日本代表「侍ジャパン」がバンテリンドームでオーストラリア代表との開幕戦に9-3で勝利した。敗れた豪州だったが、9番のウルリッヒ・ボヤルスキー外野手が先発の井上温大投手(巨人)から特大弾を放ち、日本のファンを騒然とさせた。メジャー通算429本塁打の強打者に憧れる26歳は、NPBでのプレーを夢見ている。 【動画】「初めてあんなに飛んだ打球見ました」 バンテリンドームがどよめいた“豪州のスタントン”の衝撃弾 乾いた打球音が響くと、球場がどよめきに包まれた。日本が5-0とリードして迎えた6回先頭。井上が初球に投じた145キロの直球をボヤルスキーは迷わず振り抜いた。バックスクリーン左、広いバンテリンドームの中段まで届く138メートルの特大弾。あまりの飛距離に日本のファンからも拍手が起こるほどだった。打った本人も「チームに貢献したかった。素晴らしい気分だったよ」と頷いた。 X上の日本人ファンも騒然。「初めてあんなに飛んだ打球見ました」「そのままナゴヤに残ってくれないか?」「巨人で野球やらないか?」「埼玉西武にもお力を」と贔屓球団への“勧誘合戦”も始まった。昨春のワールド・ベースボール・クラシックに出場し、日本の野球熱を直に感じたボヤルスキーにとってもNPBは夢の舞台。試合前には「NPB入りできたら最高だね」と野心を明かしていた。 ボヤルスキーは南アフリカ共和国生まれの26歳。ドイツ人の母と南アフリカ人の父を持ち、1、2歳頃に豪州に移住した。野球とは無縁の家庭で育ち、少年時代はオーストラリアンフットボールに明け暮れた。バットを握り始めたのは12歳。幼い弟がティーボール(投手がおらず、止まったボールを打つ野球に似た競技)を始めたことがきっかけだった。 高校までは豪州のクラブチームでプレーし、卒業後は米大リーグ・タイガース傘下のマイナーリーグに5年間所属した。2021年と2022年は2Aまで昇格。わずか3試合の出場だったが打率.300、OPS.817の成績を残した。現在は豪州国内リーグ(ABL)のパースに在籍。2022-23シーズンは打率.352、OPS1.031という打棒を発揮し、怪我で出遅れた2023-24シーズンも打率.297、OPS.875をマークした。 憧れの選手はメジャー通算429本塁打の怪力ジャンカルロ・スタントン外野手(ヤンキース)。代表では9番打者だが、「パワーが僕の長所だ」と力を込める。11日と12日に行われた打撃練習でも特大弾を連発。バンテリンドームの4階席にもぶち込み、報道陣を騒然とさせた。「今は個人よりチームのこと」。“豪州のスタントン”はまず、東京ドームで行われるスーパーラウンド進出を目指す。
THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku