都鳥兄弟(北上)製作「廃墟と化した鉄の町」 江古田映画祭特別賞
北上市在住の双子の兄弟映画プロデューサーの都鳥拓也さん(41)と伸也さん(41)が製作したドキュメンタリー映画「廃墟と化した鉄の町 釜石艦砲射撃の記録」が、第13回江古田映画祭の特別賞に選ばれた。2人は「非常に光栄」と喜びつつ、戦争の悲惨さと平和の尊さを次世代につなぐ決意を新たにしている。 同映画は1945(昭和20)年7月14日と8月9日、連合国軍の艦砲射撃で市街地が焦土と化し、1000人が犠牲になったといわれる釜石市を取り上げた。当時の体験者から釜石駅、防空壕(ごう)に入った子ども、市民が大勢亡くなった事実を聞き取り「俺たちは虫けらのよう」「弾はどんどん来る。運だけで助かった」など生々しい証言を記録。2021年の取材後に3人が亡くなり貴重な最後の証言となった。 体験者に加え研究者、東日本大震災の語り部ら10人以上を取材。連合国軍が最初の射撃で壊滅的打撃を与えながら、なぜ2度目に攻撃したかも考察した。震災を含め未来へどう語り継ぐかも問い掛け、22年夏から各地で上映された。