ジェームズ・ボンドも嫉妬する美味しさ!? 純国産のフレッシュなキャビアの口福なる味とは?
さまざまなメディアでラグジュアリーライフを提案するコラムニストの中村孝則さんが、真の“贅沢”をご紹介する連載。今回のテーマは……。
ファッションからカルチャー、旅やホテルからガストロノミーまで、ラグジュアリーライフをテーマに執筆活動を行っているコラムニストの中村孝則さんが、毎回1つのテーマのもとに真の“贅沢”をご紹介する連載です。今回のテーマは……。
■ 静岡産の採れたてフレッシュ・キャビア「ハルキャビア」
味のわかる男の象徴としてキャビアが世界に知られるきっかけとなったのは1969年に公開された映画『女王陛下の007』にて、ジェームズ・ボンドが「あぁ、カスピ海北部産のロイヤル・ベルーガだ」とのたまうシーン。今も昔もキャビアは高級食材の象徴として、シャンパンやマティーニのお供として、あるいは美食レストランに欠かせない存在として愛されてきました。 ご存知のとおりキャビアはチョウザメの卵ですが、天然のチョウザメは絶滅危惧種であり、産地として名高いロシアでも厳しい漁獲制限があります。なので現在流通するキャビアのほとんどは、養殖されたチョウザメから採られているのです。 欧州や中国が主な養殖地ですが、日本で食されるキャビアの約9割が輸入もの。その多くは冷凍か熟成もの。しかし、本来の美味しさを味わうなら、採れたてのフレッシュ・キャビアが最高です。
静岡県春野町で養殖されたチョウザメから採れる「ハルキャビア」は、まさにその貴重なフレッシュ・キャビアです。熟成ものとは別物と言っていいほどクリアで霊妙な味は、病みつきになること請け合い。国内の有名レストランで採用されることから、信頼度の高さもうかがえます。 筆者は天竜川の源流のほとりにある養殖場を訪れましたが、チョウザメたちはそのまま飲めるほど清涼な湧き水の掛け流しで育てられていました。最高の環境で悠々と泳ぎ、個体ごとに状況を判断して最高の状態でキャビアを採取するとのこと。 ちなみにチョウザメは見た目が鮫に似ているのと鱗が蝶の形なので、日本では蝶鮫の名前が付きますが、鮫とは別の淡水魚で、チョウザメ目という独立した種の古代魚です。 右●濃厚で力強く、キレのある味わいの『春一番』。上質な国産フレッシュ・キャビアの魅力を堪能できる逸品です。左●まろやかな塩味が特徴の『雪どけ』は、旨味の余韻を雪どけのような優しさで楽しめます。キャビアの風味を邪魔しない有田焼きのスプーンは洒脱なデザイン。キャビア(30g)3万3000円(参考価格)、スプーン1万3200円/金子コード