Adoプロデュースのアイドル・ファントムシータ。唯一無二の存在を目指して
武道館はゴールではなく、スタートライン
――SPA!は皆さんの親御さんぐらいの中年世代が中心なんですが、今回のアルバムで推したい曲はありますか。 百花 『ゾクゾク』がおすすめです。レトロホラーの魅力も詰まっているなかで、昭和歌謡のような雰囲気もあるので懐かしさを感じてもらえると思います。 灯翠 あと、感情と葛藤をテーマにした楽曲『花喰み』のミュージックビデオは、5人ともすごく頑張って撮影しました。とくに箱の中に入って表現するシーンは、感情を爆発させていて表情も過去イチだと思うぐらいのレトロホラーみが出ているので。気になる表情を止めて見ながら、何度も見てもらえたら嬉しいです。 ――そんな最恐アイドルの皆さんがプライベートで恐怖に感じることを教えてください。 美雨 虫全般が苦手なのですが、なかでもカメムシが怖くて……。小さい頃に服を着たらカメムシが付いていて、振り払ったら臭い匂いを発していて「ぎゃー!」と叫んだことがあります。それ以来、自宅の部屋を開けて虫がいた際は、「ここはどうぞ」と譲って私は違う部屋で過ごすようになりました(笑)。 もな 私は夜道が怖くて、1人で帰るときは2秒に1回は後ろを確認しながら歩いています。結構、想像の世界で生きているので「暗い中でいきなり人が現われるかもしれない」と考えてしまうんです。怖さ対策として、オシャレな楽曲を聴いています。 ――自分たちの曲ではない? もな 余計に怖くなるので絶対に聴きません(笑)。 ――怖いモノ、凛花さんはありますか? 凛花 それでいうと、ないかもしれません。恐怖という感情が出てこないというか。 美雨 たしかに動じないよね。 凛花 今は無敵かもしれないです(笑)。17歳で何も知らないがゆえの無敵かもしれないですけど。 灯翠 羨ましい……。私は朝が本当に恐怖なんです。朝が弱くて、次の日はこの時間に起きないといけないというときの前日が不安で眠れないんです。ベッドに入るんですが、不安に駆られて3時間ぐらい経っていることがざらにあります。常に睡眠不足です。 ――ちなみに朝が強いメンバーって誰ですか? 百花 やっぱり無敵な人が手を挙げています(笑)。 凛花 私からアドバイスをするとしたら、アラームを途中で止めずにひととおり聞いてから止めるのを意識してみて。あとは、手の届く場所に置いちゃダメ! 灯翠 ベッドから起き上がってスマホを取りに行って、アラームを止めたらベッドに戻って二度寝しちゃうの……。 凛花 とにかく寝ちゃダメ!! 今日だってモーニングコールをかけているんですよ。私が寝坊したらどうするんですかね。 もな・灯翠 いつもありがとうございます。 ――そして、日本武道館でのファーストライブが11月1日に控えていますね。 もな “アイドルの聖地”という印象の強い場所で、ファーストワンマンをさせていただけることは本当に異端というか、ファントムシータらしいと感じていて。このステージを用意していただいたことに感謝しています。変に委縮することなく、ファントムシータにしか出せない魅力を感じてもらえるように、私たち自身も楽しみにしています。 美雨 日本武道館がゴールではなく、ここからがスタートライン。全員でもっと成長していけるようなステージにしたいです。 ――無敵状態の凛花さんとしては、「やってやるぞ!」という気持ち? 凛花 正直に言うと……すごく緊張しています(笑)。ファンの方々やスタッフさんもファントムシータのために時間と労力を割いてくださっているということを頭に入れて、忘れられない1日にしないといけないなという思いは強いです。楽しみでもありますが、ファントムシータにできるのかという不安もあるんです。だから、今は気持ちがぐちゃぐちゃですが、1人じゃないので5人で期待以上のものを作り上げたいです。 ――ファントムシータとして今後の目標や野望はありますか? 凛花 具体的な目標はまだありませんが、いつ見ても全力でベストなパフォーマンスを出せるようにしたいです。ファントムシータと聞いて、メンバー一人ひとりの顔が思い浮かんでもらえるようになりたいし、もっとたくさんの方に知ってもらいたいですね。 百花 うん。“レトロホラーアイドル”といったらファントムシータだと言われるぐらい存在を確立させたいです。 美雨 普段思っているけど他人には言えないようなことを、私たちが代弁者として歌っています。楽曲を聴いて、明るく元気に!という感じにはならないかもしれないですが、誰かの心に寄り添えるグループになっていきたいです。 もな とにかく楽曲に触れていただいて、ファントムシータにしかない世界観を体感してもらいたいです。思わず立ち止まってしまうようなパフォーマンスで、アイドルの新たなジャンルを確立させたいと思っています。いろいろなことに擬態できるメンバーが揃っているので個々の魅力も伸ばしていきたいですね。 ――挑戦してみたい仕事はありますか。 灯翠 個人的には、ホラーの代名詞になりたいです。例えば、お化け屋敷のプロデュースとかしてみたいです。 百花 絶対に行きたくない……。 灯翠 その怖がっている様子を撮影して、私たちのYouTubeチャンネルで公開したいですね(笑)。 取材・文/吉岡 俊 撮影/後藤 巧
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