料理家・栗原はるみ76歳「年齢から“マイナス10歳”してみたら、心も体も軽くなった」
主役になるお餅と豆腐のレシピ
ーーまた、今回は栗原さんのお好きなお餅と豆腐の特集も。たとえば「絹さやの白あえケーキ」は盛りつけも華やかで、お豆腐の概念が変わりました。 絹さやでなくても、ほうれん草など、他の野菜でも構いませんよ。上にのせるものも、くるみに限らず、ナッツなら何でも大丈夫です。クリスマスにいかがでしょうか? ーーこちらのレシピ、何かコツはありますか? そうですね、野菜を茹で過ぎないことでしょうか。 ーーなるほど。たしかに、撮影などで栗原さんが野菜を茹でる時間を拝見していると、短いなと思います。 同時に、自分が少し茹で過ぎているんだな、と気がつかされます。「絹さやの白あえケーキ」は絹さやの食感がシャキシャキと美味しくて、みじん切りのハムもすごくよい仕事をしていました。とっても美味しかったです。 豆腐のようなシンプルな食材こそ、ちょっとした手間を惜しまず、丁寧に料理して欲しいな、と思います。豆腐の美味しさをあらためて見直していただければ嬉しいですね。 ーーそれから、今回の料理特集では、お餅が一年中食べられる食材、ということに気づきました。中でも、お餅を親子丼にするって、すごい発想ですよね! 焼き餅の親子丼は、ありそうでない意外な組み合わせですよね。ご飯と餅、それぞれ違う食感が楽しく、食べ応えがあるので、ぜひ一度試してみてください。
冬の立ち飲みファッションや、充実の2大付録
ーー今回のファッション特集「冬の服、ちょっと一杯。」は、新橋をメインに撮影しましたね。自然体で飾らない、素敵な写真がたくさん撮れました。 立ち飲みの焼きとん屋さんやビアホールで撮影したので、実際に飲みながら。 いつのも私らしさが出ていて、お気にりのページです。「野焼」さんでいただいたレバーも美味しく、印象に残っています。 ーー10月末には、京都ガイドブック『私の京都』も発売になりました。すぐに重版になったんですよ。 この本で紹介しているのは、自分の足で歩いて、出合って、いいと思ったお店ばかり。 地元の人が通う店や、ひとりでも気軽に立ち寄れる場所も紹介しています。 ーー購入してくださった京都にお住まいの方から、「このガイドブックを読んで、私が住む京都のことがもっと好きになりました」というコメントを頂いたんです。 すごく嬉しいですね。ガイドブックを作りはしましたが、私はまだまだ京都初心者なので、この本を持って行って、さらに新しいお気に入りを見つけたいと思います。 ーーそして、最新号は年末ということで、付録が2つついています。まずは、2024年のカレンダー。前回のカレンダーよりも、アンケートで届いた読者の方の声にお応えして、サイズを大きくしました。 ちょうどいい大きさよね。持ち運びもできるし。書くスペースもあるから、手帳がわりにも使えます。 ーー実は雑誌『栗原はるみ』のカメラマンが、何万枚と撮影した中から、厳選した写真を使用しています。「写真だけ切り取って額に入れて飾っています」という方がいるほどなんですよ。 今回は写真にコメントを添えています。 これからも、皆さんからのご意見をたくさん反映していきたいですね。 ーーもう一つの別冊付録は、栗原さんが家族や仕事仲間のために、日々作っている定番の焼き菓子のレシピ集です。お菓子の別冊付録が欲しいというリクエストも、本当に多くありました。 バナナブレッド、スコーン、マフィンなど、どんな人でも失敗なく作れる、素朴な基本のレシピです。 私がよくインスタグラムにアップしているお菓子のレシピもありますよ。 ーー私も子どもと一緒に、にんじんケーキを作りました。ゆで卵を一緒に添えて食べれば朝食にもなるし、ふわふわで、本当に美味しかったです。また、読者の方から「スコーン作りがうまくいきません。何かコツはありますか」という質問も届いていますが、いかがですか? スコーンをさくさくと仕上げるコツは、バターを室温に戻さないこと。 バターは固いまま小さく切って、固い間に小麦粉と砂糖の入った生地に入れて、バターが柔らかくなる前に仕上げないといけません。 20分~30分で生地を仕上げられるよう頑張ってみてくださいね。とにかく手早く、が大切です。 構成/栗原はるみ編集部