【編集部解説】衆院選2024の争点③安全保障&社会保障/年金どうなる?安全保障と社会保障の争点を徹底解説!各党のスタンスは?
進め方や温度差に違いはあっても、いずれの政党も「見直すべき」との考えは一致しているようです。 鈴木編集長「もともと日米地位協定の見直しは野党がずっと主張してきたテーマですので、そこに今回は自民党の考え方が近づいていったのかなという印象ですね」 司法制度の問題点については各党そこまで意見の違いは見られないものの、米軍基地のあり方については与野党で意見が分かれており、今後の議論のポイントとなりそうです。
もう一つの争点として、鈴木編集長は防衛費増額に伴う増税の是非に言及。 防衛費を増額することについては2022年にすでに決定していますが、その財源についてはまだ結論が出ていません。 鈴木編集長はこの財源について、2022年の参院選で示すべきであったと指摘。「政策立案としては極めて無責任」とコメントしました。 防衛費増額に伴う増税については、自民党は「賛成」、公明党は「やや賛成」と回答。鈴木編集長は「与党らしく財源に対して一定の責任をもって取り組んでいくという考え方をされている」とコメントしました。 それ以外の政党はすべて「反対」ですが、その詳細はそれぞれ違いがあります。 まず、日本共産党・れいわ新選組・社会民主党は防衛費の増額そのものに反対。そのほかの政党は防衛費の増額にはおおむね賛成しているものの、そのために増税を行う点については反対の意思を示しています。 立憲民主党は防衛費をGDP比2%という数字ありきの点に疑問を呈し、日本維新の会は政府の歳出を見直すことで財源を確保する考え方です。 国民民主党は経済成長に伴う税収増や外為特別会計からの税収入で十分賄えると主張しており、この考え方は一部自民党も取り入れています。
これに対し日本維新の会は「賛成」、国民民主党と参政党は「やや賛成」との意見を示しています。 日本維新の会と国民民主党は、現役世代を支えることで高齢者の社会保障を維持するという考え方からこのような回答になったと思われます。 「中立」と答えたのは自民党・公明党・みんなでつくる党。高齢者対策大綱で検討することを打ち出した自公がこのような回答になった理由について、鈴木編集長は「党内で議論が成熟しているわけではないし結論が出ているわけではない」と解説しました。 高齢者の生活困窮者の存在や現役世代の将来不安につながるおそれがあるといった理由から、立憲民主党は「やや反対」、共産党・れいわ新選組・社民党は「反対」と回答しました。 この争点について鈴木編集長は「(高齢世代と現役世代の)二元論にしないほうがいい」とコメント。社会を維持するために負担のバランスは必要に応じて変えていく必要があり、高齢化が進む中で避けて通れない議論であると続けました。