奈良の鹿がアンパン入りのビニール袋を食べようと…取られないように活動家が注意喚起 鹿を蹴るなどトラブル多発、観光客のマナーに懸念
鹿を蹴り上げる行為に「文化財保護法違反」と苦言、公園付近のパトロール強化へ
──最近外国人観光客と見られる男性が、奈良公園付近で暮らす鹿を歩道上で執拗に蹴り飛ばしている姿を映す動画がSNSで話題になり、問題になりました。こうしたトラブルについての率直なご意見をお聞かせください。 「この鹿を蹴り上げてる動画は 信じがたいほどひどい行為でなぜこんなことができるのか理解しがたいです。さっそく対策として県・市・警察などが啓発活動隊を結成してパトロール強化に乗り出してくださいましたので、これを継続していただくのと同時に防犯カメラもあればいいかなと思います。注意喚起としては奈良の鹿は国の天然記念物ですので『文化財保護法違反』になりますよということでしょうか。 この動画ほどひどくはありませんが以前鹿せんべいを目当てに寄ってきた鹿に鹿の顔まで足をあげて追い払おうとする行為を見ました。あと鹿せんべいを焦らしてなかなかあげないのもよく見かけます。中には、怒った鹿が攻撃してきて人身事故につながることもありますので、焦らさずにあげてほしいと思います」 ──奈良公園付近の鹿たちの現状と、人と鹿が共存できるような今後の対応策や活動などについて教えてください。 「奈良公園付近の鹿たちの現状については、山下知事が農作物被害などを理由に駆除範囲を広げざるを得ないとの発言をしています。このことに反対する署名活動をオンラインを中心に今年の3月末から行ってきました。その中間報告として約1万4千筆の署名を7月19日に山下知事、仲川市長、村上委員長宛てに提出してきたところです。引き続き署名を集めておりますので柵の設置など被害対策を講じてもらい、知事に発言を撤回してもらうよう取り組んでいきたいと思っています。 交通事故に関しては以前から県庁前の369号線の中央分離帯の芝生の改善や169号線、飛火野前など鹿の横断の多い場所での注意喚起の標識設置や道路ペイントなどを県にお願いしています。さらに、アメリカの高速道路では動物が道路を横断する際、高速下の排水口を動物たちが利用し交通事故が減った例があります。オジロジカも利用していたそうで奈良公園でも応用できないかなと思っています。ほかにも犬の散歩マナーの改善や、水が少ない場所に水飲み場を設置するなど、奈良公園内の鹿が暮らしやすい環境になるよう働きかけをしていきたいと思っています」 (まいどなニュース特約・渡辺 晴子)
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