奈良の鹿がアンパン入りのビニール袋を食べようと…取られないように活動家が注意喚起 鹿を蹴るなどトラブル多発、観光客のマナーに懸念
交通事故、ゴミの誤食…奈良公園の鹿がおかれている現状とは?
──奈良公園を歩き始めたのは。 「奈良公園を歩きだしたのはもう随分前でいつ頃からか忘れましたが、歩いているうちに奈良公園の鹿のおかれてる現状を知るようになりました。活動を始める大きなきっかけになったのは、2021年10月に起きた近鉄奈良駅前で雄鹿が車にはねられた現場にいたことです。この鹿ははねられた後、もうろうとしながら自力で歩き何とか車の来ない中央分離帯に座りこみました。その後愛護会さんに保護されましたが3日後に亡くなりました。それから交通事故やゴミの誤食など奈良公園の鹿がおかれている現状をさらに知り、そのことを憂えてる方々と知り合うようになり奈良公園へ行く頻度が増えてきたんです」 ──今回の鹿がビニール袋に入ったままのアンパンを必死に食べようとしていたという投稿。鹿は食べずに無事だったとのことですが、こうしたゴミも含めた誤食の問題について、最近海外からの観光客も増えてマナーを知らず鹿が誤食してしまう事例が増えているのでしょうか? 「奈良公園にはほぼゴミ箱がないためポイ捨てが多くゴミを食べ物と間違って食べてしまった鹿が命を落とすということが起こっています。それを少しでも防ぐため多くのボランティアさんがゴミ拾いをされています。よく捨てられてるのはファーストフード店のカップやお菓子の袋、ウェットティッシュ、ペットボトル、アイスの包み、吸い殻、パンフレットなどで特に食べ物のにおいの付いた容器や袋は鹿の命にかかわりますので絶対に捨てないでいただきたいです。ウェットティッシュは靴に付いた鹿の糞をふき取ってそのまま捨てていく人を見かけます。先日は鹿をわざわざおびき寄せてゴミを投げ与えるというあまりにもひどい行為をする観光客もいました。 また故意にでなくても鹿せんべいを入れてるビニール袋やお菓子などを袋ごと鹿に取られてしまう場面もよく見かけますので注意していただきたいです。このゴミ問題ですが先日の県議会でも取り上げられ対策が少し動きだしたようです。他の観光地ではいっぱいになったゴミ箱を圧縮できるスマートゴミ箱が試験的に導入されていて、奈良公園でも設置されれば効果が期待できるのでないかと思います」