トランプ再選で急変、米国の「ベストセラー本」ランキング
高まる「ディストピア」への関心
トランプ政権とその女性の権利に対する姿勢への抗議活動を行う活動家らは、この物語の中で女性たちが着用を強制される赤いクローク(マント)と白のボンネットを身につけ、抗議の声をあげている。 トランプが指名した判事が加わり、さらに保守化した連邦最高裁が2022年、中絶の権利を憲法で保障されるものとした「ロー対ウェイド」判決を覆したときにも、その判断に抗議する人々が、この装いでデモ行進に参加した。 ■その他の「ディストピア作品」にも関心 アマゾンではそのほか、SF作家レイ・ブラッドベリの『華氏451度』など、誤情報や暴力によって支配される全体主義政権下のディストピア社会を描いたその他の書籍も、トップ20にランクインしている。『華氏451度』の売り上げは選挙後、333%伸びたという。 歴史家ティモシー・スナイダーがナチズムについて書いた2017年発表の『暴政:20世紀の歴史に学ぶ20のレッスン』も、アマゾンとニューヨーク・タイムズ、バーンズ・アンド・ノーブルすべてのベストセラー・ランキングで上位に入っている。 一方、著名ジャーナリストのボブ・ウッドワードによる10月15日に発売されたばかりの新著、トランプとプーチン大統領の関係に焦点を当てたことで注目された『War』も、選挙後も引き続き上位につけている。 同書では、トランプは退任後にもプーチンに電話をかけウクライナとの戦争について話し、供給が不足していた新型コロナウイルスの検査キットをプーチンに提供していたことなどが明かされている。
Stephen Pastis