結婚を公表したテレ東・田中瞳アナ「『モヤさま』で私は“丸裸”にされてしまうんです」…高校時代に殻を破ろうとして…初エッセイ本でも明かされる、恥ずかしエピソード
「『モヤさま』では私が“丸裸”にされてしまうんです」
――改めて、田中さんがアナウンサーを志したきっかけを教えてください。 大学時代に、キャスターを経験させていただく機会がたまたま舞い込んで来まして。そのときに初めてテレビ局に入って、報道フロアの様子を目の当たりにしたんです。 その際、アナウンサーがどういう仕事なのか、リアルな姿を間近で見ることができたんです。 それまでアナウンサーの仕事って、手元の原稿を読むことだと勝手に思い込んでいて。 でも、全然そうではなかった。「もっとこうしたほうがいい」「視聴者に伝えるためにはどうすればいいか」と、制作チームの一員として知恵を絞って働く姿がすごく魅力的で、いい意味でのギャップに惹かれたんです。 ――入社当時からバラエティと報道での活動を希望されていたとのことですが、その理由は? 就職活動のとき、テレビ東京(以下、テレ東)以外の局では報道志望で面接を受けていたんですよ。 テレ東は最後に受けたのですが、面接前に人から「テレ東は人が少ないから、いろいろな仕事を経験できるらしいよ」と聞いて。それなら報道とバラエティを同時に担当させてもらえるかも、と思ったんです。 ――「テレビに出る」ということに対して、入社当初は抵抗がありましたか? 「ニュースを読む」という仕事に対しては、もともと抵抗はなかったです。というのも、視聴者は私を見ているのではなく、報道内容を聞いているので。 一方で、たとえば「モヤさま」の場合は、私が“丸裸”にされてしまうんですよ。姿勢、箸の持ち方、笑い方……全部が、録音された自分の声を初めて聞いたときのような感覚で、担当したばかりのころはとにかく恥ずかしかったですね。 それは「飾らずにできている」ということでもあるとは思うのですが。 ――エッセイによると、アナウンス部になかなか馴染めない時期があったそうですね。田中さんは、悩みごとを1人で抱えてしまうタイプなのでしょうか。同期入社だった森香澄さん、池谷実悠さんに相談することは……? 同期には相談しなかったですね。というか、誰にもしませんでした。 おっしゃるとおり、もともと悩みがあっても誰かに相談するタイプではないんですよ。なので、周りに非があるわけでは全然なくて。単純に、私が群れに入っていくのが苦手なだけなんです。 アナウンサーって、基本的には“個人商店”なんです。複数のアナウンサーが同一の番組を担当することは、あまりなくて。だから一緒に仕事をすることはないけど、同じ部署にいる。 学生時代の関係性とは違いますし、同期であっても友だちではないわけで、なかにはライバルだと捉えている方もいますよね。 そういうことをいろいろ考えていたら、どう接したらいいのか、わからなくなってしまって。だから、アナウンス部というよりも、当時の私はそもそも「社会」というものに溶け込めていなかったんですよ(笑)。 ――入社6年目を迎えて、そこから変化はありましたか? この6年で変わったのかどうかというと……馴染めていないというのが思い込みだったことはわかりましたが、たぶん私の性格は変わっていないと思います。 悩みは変わりながらもずっと持ち続けているのですが、なぜ人に相談しないかというと、たぶん自分の中に正解があって、それを曲げたくないからだと思うんですよね。 だから悩むこと自体、そこまでツラくなくて。これまでも自分の中の正義を信じてきたので、きっと強いほうなんですよ、ハートが。 取材・文/毛内達大 撮影/恵原祐二
集英社オンライン