<ライブレポート>ヨルシカ、【COUNTDOWN JAPAN 23/24 supported by au 】で満員のステージを魅了
2023年12月28日から31日まで、千葉・幕張メッセ国際展示場1~8ホール・イベントホールにて【COUNTDOWN JAPAN 23/24】が開催された。 その他の画像 2日目となる29日のEARTH STAGEに、ヨルシカが登場した。本稿では、そのライブの模様をお届けする。 開演前の十数分前にすでに満員のEARTH STAGE。ヨルシカの登場を告げると歓声と拍手が絶えることなく響く。 ステージを隠すような幕に投影された映像と共に、n-bunaが「靴の夢」を朗読し始めた。会場が一気にヨルシカの世界に巻き込まれていく。 朗読が終わると、幕が突如落ち、suisとn-bunaの朦朧とした姿が仄かな照明の中で現れた。2人は声を合わせて「【COUNTDOWN JAPAN 】、幕張メッセ、ヨルシカです!」とあいさつし、「負け犬にアンコールはいらない」のイントロが響き始めた。客席からも手拍子や楽曲と合わせて「FIVE!FOUR!THREE!TWO!HOWL!」と吠えるようなカウントダウンなどでリアクションし、早くも会場の熱気がマックスに達した。 躍動感と哀愁が織り混ざった「言って」とメロウな「雨とカプチーノ」を立て続けに披露したあと、「夜に浮かんでいた」という歌い出しで客席から歓声が湧き上がる。代表作の「ただ君に晴れ」だ。サビでは、オーディエンス全員がぴったり揃ったクラップを会場全体に心地よく響き渡らせた。 続く「又三郎」では、爽快感のあるメロディが疾風のごとくに会場を席巻した。オーディエンスからも「どっどど」と大合唱が起き、一体となった。 照明が消え、マーチングドラムの音に、ギターとピアノのコードが加わると、客席がすぐに次に演奏される曲が「花に亡霊」とわかったようでざわめく。先ほどまでの熱狂がsuisの儚い歌声に優しく醒めたような、陶酔したような時間が過ぎて行く。 水彩画のような四季の移り変わりを表現したアニメーションと共に演奏されたのは「春泥棒」。落ちサビに入ると映像が途切れ、まるで花吹雪のような照明が会場を包んだ。suisが「今、春仕舞い」と歌い終えると、花吹雪も同時に止め、最後の曲「だから僕は音楽を辞めた」の演奏が始まる。 演奏の終盤に近づくと、これまで曲ごとにデザインされた一連の映像が走馬灯のようにフラッシュバックして収束されていく。まるで独立した楽曲が一つの物語を構成すると暗示しているようだ。それがどのような物語を織りなすのかを考える余裕もなく、「だから僕は音楽を辞めた」というモニターに映された歌詞がメロディと共に途切れた。するとsuisとn-bunaが客席に深く一礼をして姿を消した。何かを期待して佇んでいるようなオーディエンス。モニターにヨルシカのロゴが現れると、彼らはようやくヨルシカが魅せた世界から現実に戻ったと気づいたようだ。まるで想像の中でしか存在しない儚いステージだった。 ◎公演情報 【COUNTDOWN JAPAN 23/24 supported by au 】 2023年12月28日(木)、29日(金)、30日(土)、31日(日) 千葉・幕張メッセ国際展示場1~8ホール・イベントホール <セットリスト(ヨルシカ)> 01. 朗読「靴の夢」 02. 負け犬にアンコールはいらない 03. 言って。 04. 雨とカプチーノ 05. ただ君に晴れ 06. 又三郎 07. 花に亡霊 08. 春泥棒 09. だから僕は音楽を辞めた