ゴールデンウイーク日本を楽しむ観光客増加 大混雑の島へ“訪問税” 観光地の“共存”対策とは?【バンキシャ!】
日テレNEWS NNN
ゴールデンウイーク期間中、国内の観光客のみならず、海外から来た多くの人々で大混雑となった所もありました。バンキシャ!は増え続ける観光客に対応する現地の状況を取材。中でも“訪問税”を取り始めた場所に注目しました。その効果や反応は――【バンキシャ!】 *** ゴールデンウイーク後半。3日、バンキシャ!は長崎市へ。 バンキシャ! 「長崎港にクルーズ船が入ってきました」 乗っていたのは中国からの観光客およそ4000人。 中国では1日から5日まで、労働節に伴う大型連休。(中国・大手旅行サイトによると)海外旅行先の一番人気が日本なのだという。 バンキシャ!が出会った家族。観光地・稲佐山公園にあるスロープカーに乗り込んだが… 中国からの観光客・母 「ちょっと人が多いね」 中国からの観光客で車内はいっぱいに。景色を楽しむこと、およそ8分。混雑から抜け出し、ようやく山頂にたどり着いた。 中国からの観光客・子ども2人の母 「子どもたちは日本のアニメやおもちゃが大好きなんです」 バンキシャ! 「また日本に来たいと思いますか?」 中国からの観光客・祖母 「もちろんです」 クルーズ船の観光客は、ゴールデンウイークでにぎわう福岡の太宰府天満宮周辺にも。ここでも目に入ってきたのは海外からの観光客だ。 日本の観光客・男性 「結構たくさんいらっしゃっているなって」 日本の観光客・女性 「たくさんいました」 御菓子処まえだ 専務取締役 「外国人の割合は非常に増えましたね。感覚で言うと2割から3割(増し)。長崎をこうやって観光地として選んでくれることは、すごくいいことじゃないかと思います。ありがたい」 *** ゴールデンウイークを迎え、国内そして海外からの観光客で混雑する全国各地。取材をすると、増加する観光客との共存を目指し、動き出した地域がありました。 4日。バンキシャ!は世界遺産がある、広島県の宮島へ。 バンキシャ! 「見てください。厳島神社の大鳥居が見えてきました」 この日、島を訪れる人はゴールデンウイーク中で最も多い、およそ4万人との予測。 バンキシャ! 「宮島の商店街すごい人ですね」 こうした状況の中、市がある対策を打ち出した。2023年10月から導入した「宮島訪問税」だ。主にフェリーの運賃などに、1人100円が上乗せされている。島の住民や通勤・通学する人などは、支払う必要がない。 半年で1億6700万円が集まったというが、その使い道は―― バンキシャ! 「厳島神社まであと少しの場所なんですけど、作業している方がいますね」 バンキシャ!がみつけたのは、臨時のゴミ箱。試験的に設置されたものだ。廿日市市は新たな税収を、こうしたゴミ箱の設置やゴミ処理の費用などに充てているという。 この日のゴミ箱には―― 廿日市市の職員 「ペットボトルが29袋目です」 バンキシャ! 「29袋?!」 およそ1000本のペットボトルを回収したという。 訪問税として100円を支払うことについて観光客は―― イギリスからの観光客・女性 「正直、私は安いと思います」 イギリスからの観光客・男性 「いい使われ方をしているし、みんなゴミを捨てに来ると思います」 日本の観光客・男性 「ぜひ100円は取った方がいいです」 日本の観光客・女性 「島がキレイになるなら100円払ってもいいかなと思いました」 “訪問税”の導入を予定しているという場所も。こちらも世界遺産、和歌山県の高野山。人口2600人ほどの高野町に、年間およそ140万人の観光客や参拝者が訪れるという。 4日、町を歩いていると… バンキシャ! 「お遍路さんの格好をしている人がいる。日本人じゃなくて外国人かな」 ドイツから来た22歳の学生。「お遍路」を1か月半かけ、ほぼ歩いて達成。お礼参りに来たのだという。高野山で瞑想体験をしようとしたが… ドイツから来た学生 「残念ながらゴールデンウイークで、とても混雑していて満席でした」 3日、その瞑想体験ができる場所(恵光院)には… バンキシャ! 「続々と外国人の方が入ってきています」 日本文化を体験しようと、多くの外国人の姿が。平日は、ほとんどが海外からの観光客だという。中には護摩行体験に参加する外国人も。カップルが書いた願い事は… オランダから来た観光客・女性 「私たちが一生一緒にいられるように。あと健康でいられるように」 日本の観光客にも願い事を聞いてみると… バンキシャ! 「心願成就…? なんて書きました?」 東京から来た観光客 「現状維持」 バンキシャ! 「現状維持(笑)」 こうした観光客の増加を受け、高野町は4年後(2028年)をメドに訪問税を導入する予定だという。背景にあるのは、年間およそ5000万円かかる駐車場の警備費や公衆トイレの維持管理費。観光地のインフラを維持するため、訪問税の導入はやむをえない状況だという。 観光客と地域の共存を模索している場所は、ここだけではなかった。 *** 4日、バンキシャ!は山梨県・富士吉田市へ。 バンキシャ! 「商店街の角なんですが、すごい人だかりができています」 大勢の外国人がカメラを向けていたのは… バンキシャ! 「富士山です。みなさん富士山の写真を撮っているようです」 実はこの場所、レトロな商店街の先に富士山が見えるとして、海外からの観光客に人気の撮影スポット。この日はおよそ2000人が訪れたという。しかし中には… バンキシャ! 「危ないですね。赤信号で渡っている方がたくさんいます。車道の真ん中に出て写真を撮っている方がいます」 マナーを守らずに撮影する人も。さらにこの場所には“ある課題”が… 多くの観光客が写真を撮るだけで、商店街で買い物などはせず、帰ってしまっていたという。そこで2024年3月、撮影スポットの真横に設置されたのが観光案内所。撮影のマナーを伝え、周辺の飲食店や観光スポットも紹介。市内を回ってもらうことが狙いだ。 始めてから1か月。5000人近くが訪れたという。こうしたインバウンドの盛り上がりもあり、商店街には新たに3、4軒のカフェもできた。 2023年4月にオープンした、和菓子店は… 和菓子店とカフェ 店長 「日によって変動はあるが、4割から6割くらいインバウンドのお客様にご来店いただいています。カフェや喫茶店や食事処でお客さんの流れは感じていますので。だんだんと変わってきているのかなと感じています」 *5月5日放送『真相報道バンキシャ!』より