高級リゾート地、ニセコに別荘を建てたオーストラリア人。建築家の決め手は“華やかな素材使い”
家のどこから見てもまるで絵のような雪景色。この物件が立つ北海道のニセコは、1980年代からリゾート地として急速に発展したエリアです。“蝦夷富士(えぞふじ)”とも呼ばれる羊蹄山(ようていざん)の麓にあり、世界有数のリゾート地としてヨーロッパやアジアでも紹介されています。 【写真集】ニセコの豪邸セカンドハウス。ラグジュアリーな素材使いがポイントに ここでご紹介するセカンドハウスは、白樺林に包まれた素晴らしいロケーションを生かすだけでなく、独自の素材を家のポイントにあしらうことでラグジュアリーなインテイリアを叶えています。しかも、素材の使い方がユニーク。設計を手掛けた建築家の知恵で、ほかにはないオリジナリティあふれるセカンドハウスとなっています。 早速、そのラグジュアリーな部屋を見ていきましょう。
貸し出し前提のセカンドハウス
オーナーはオーストラリア人。ここはセカンドハウスとして建てられましたが、不使用時にはレンタルヴィラとして活用する目的も。設計を手掛けたのは札幌を拠点に、規模の大きな住宅やホテルを多数設計してきた建築家の中山眞琴さんです。 オーナーはディベロッパーから数社の設計事務所を紹介されましたが、そのなかで中山さんに決定。その大きな理由は、中山さんの建築作品の特徴である“素材使い”でした。
常識にとらわれない素材使い
「凹凸のある表情豊かな素材には触れたくなるぬくもりがある。建築の表情が和らぎ、建築とそこで過ごす人との距離を縮め、空間の居心地をよくしてくれます」と中山さん。 この物件には外観からリビング、水まわり、廊下まで、さまざまな素材が使われていますが、なかには廃材を利用したり、既製品の壁材を表裏逆に使用している部分も。「いくら素材感があっても既製品だけを使うのではつまらないし、空間が魅力的になりません。廃材や既製品の裏側には作為がない。そこに魅力を感じます」 大胆な素材使いが過剰になっていないのは、中山さんが数多くの物件でさまざまな素材を取り入れてきた経験に基づく“さじ加減”によるものです。個性的な素材をポイントで効果的に使うことで、レンタルヴィラという商業施設にふさわしい華やかさも表現しています。
静かにくつろぐためのリビング
リビングはダイニングキッチンと切り離され、個人あるいは少人数で静かにくつろぐスペースという位置づけ。子供がテレビを観る遊戯室も2階にあります。オーナーのライフスタイルに合わせた間取りですが、レンタルヴィラの利用者からも「初めて訪れたとは思えないほど使いやすく、居心地がいい」と好評を博しているそう。 大きな部屋をあえて設けずにコンパクトな部屋が次々と広がっていき、表情豊かな素材を使ったインテリアも体験できる――。ニセコという素晴らしいロケーションも含めて、魅力あふれるセカンドハウスです。