「余計なことをしてくれたな」 自民党議員が“実名”で石破首相を徹底批判 「責任を取るのは当然」
2000万円問題
“つむじ風”の正体は言うまでもなく、東京地検特捜部が手がけた「政治資金パーティー収入不記載事件」である。石破首相は事件に関係した候補のうち、10人を非公認とし、他の34人については比例代表との重複立候補を認めずに選挙に臨んだ。その“裏金候補”らの選挙結果は、18勝28敗。高木毅氏や下村博文氏、武田良太氏といった大物議員がこぞって落選したのは、選挙戦終盤に発覚した「2000万円問題」の影響も大きかった。 〈裏金非公認に2000万円 公認と同額 自民本部が政党助成金〉 「しんぶん赤旗」がそんな見出しのスクープ記事を掲載したのは、選挙まであと4日と迫った10月23日のことだった。記事によると、公認候補に支払われたのは公認料500万円と活動費1500万円の計2000万円。一方、非公認となった候補に対しても、党勢拡大のための活動費として同額の2000万円が支払われた。この報道を全国紙も後追いし、野党は「裏公認料だ」として一斉に批判。自民党を苦しめていた“つむじ風”がいっそう勢いを増すことになったのだ。また、この問題に対する石破首相や党執行部の対応もまずかった。
石破首相の「本当に最悪の対応」
赤旗報道が世に出た日、自民党の森山裕幹事長は、 「政党支部に対し党勢拡大のための活動費として支給した。候補者に支給したものではない」 とのコメントは出したものの、会見などは開かず。石破首相に至っては赤旗報道翌日の24日、広島での街頭演説で、 「私どもはそのような報道に負けるわけにはいかない。そのような偏った見方にも負けるわけにいかない」 “逆ギレ”ともいえる発言をしたのである。 「広島での発言は前日、夜更けまでかかって自分で考えたものだったようです。しかし、あれは本当に最悪の対応でした。あんなことを言うなら黙っていたほうがよかった」 と、官邸関係者。自民党関係者に聞いても、 「選挙においては、“何これ?”と人々に疑問に思われるようなことは絶対にやってはいけません。今回の2000万円問題はまさにその典型。非公認候補の支部への支給は公認料の500万円分を引いて1500万円にしておくなど、公認と非公認で金額に差をつけていれば言い訳ができたはず。そうしなかったからこの問題について説明できなくなってしまったのです」