NHKBS「にっぽん縦断 こころ旅」に電動アシスト付きの自転車2号 イマドキTV+
よかったよかった。番組が始まったというだけでほっと一息。「にっぽん縦断 こころ旅」は、4月からNHKBSで「春の旅」(鹿児島→長野)の放送がスタートした。 【写真】視聴者からの手紙を基に、ひょうひょうと自転車の旅を続ける火野正平 俳優の火野正平さんが、視聴者から募った「こころの風景」を自転車で訪ねるという旅番組。走りに走って放送開始から13年となり、今年の初回でなんと1236日目。すっかり長寿番組である。 最初の頃は、火野さんがあれこれ愚痴を言いながら、息を切らせて坂を登るのが見せ場の一つだった。なんとか登り切った後に、下り坂を堪能しながら言った「人生、下り坂最高!」というのが番組のキャッチフレーズにもなった。 だが、最近はあまりむちゃなことはしない。走るコースを決める時点で標高差がしっかり考慮されているし、走行距離もかなり短縮。以前はよく電車やバスで輪行もしていたが、それもほとんどしなくなった。 何しろ火野さんも、もうすぐ75歳。今シーズンから、ついに電動アシスト自転車も導入された。ずっと乗ってきた相棒の「チャリオ」と同じメーカーのロードバイクに、電動アシスト機構を装着している。今後は新旧をコースによって使い分けるそうだけど、新車を「チャリ丸」と名付けた直後の火野さんのコメントに、つい噴き出してしまった。 「先輩に、酒も女も2ゴウまでって教わって、ついでに自転車2号になりました」 コンプライアンスやら何やらうるさくなってきた昨今、公共放送でさらっとこういうジョークが飛ばせるキャラクターはかなり貴重だ。 ズバズバ言いたい放題なのに、なぜかほっこりさせられる独特の語り口があってこそ。番組でも、自転車の走行シーンに加えて、火野さんがスタッフや旅先で会った人と交わす会話が大きな魅力になっている。 初日は新車のチャリ丸が不調で、久々の坂道地獄にあえぐという波乱の幕開け。ゆっくり、のんびりで全然構わないので、今年もどうか無事にゴールできますように。(ライター 篠原知存)