五輪競技の平均年収を大暴露…レスリングの400万円を遥かに上回る「マイナースポーツ」とは
野球やサッカーは、スター選手であれば億万長者になれる夢がある。では、五輪でしか観る機会のない競技でトップクラスの選手たちの懐事情はどんなものか。関係者たちに話を聞いて徹底解明した。 【写真】柔道・阿部一二三は年収1億円超え…!? 残酷なオリンピアンの「年収格差」 前編記事『柔道・阿部一二三は年収1億円超え…!? 残酷すぎるオリンピアンの「年収格差」』より続く
レスリングだけ「エコノミー」
では、柔道よりもメダルを量産したレスリングはどうだろうか。今大会では史上最多となる合計11個のメダルを獲得するなど日本勢は大躍進を遂げた。プロリーグやプロ選手が存在せず、全員が実業団に所属するという点では柔道に近いが、収入面で「格差」が存在しているようだ。 五輪でメダルを獲ったことがあるレスリングの元日本代表がこう語る。 「レスリング選手の平均年収は350万~450万円くらい。他の競技と比べて人気がないのが大きな要因だと思います。かつて国際大会の移動の際、他競技の選手はビジネスクラスなのに私たちだけエコノミークラスだったことがありました。こうした経費は各競技の協会がスポンサーから募るので自腹ではないのですが、業界全体としての格差を感じました」 レスリングより少しだけ年収が高いのが陸上だ。こちらもほとんどが実業団に所属している。世界陸上に出場経験のある元陸上日本代表は、こう解説する。 「だいたい500万~800万円くらいだと思います。陸上の場合、大会の賞金や日本陸連からの報奨金の額が大きいのは強み。たとえば東京マラソンの優勝賞金は800万円です。五輪で金メダルを獲った場合は、JOCからの報奨金とは別に日本陸連から300万円の報奨金が貰えます。とはいえ、メダリストでなければ1000万円を稼げる選手はほとんどいないのが実情です」 日本人に人気なスポーツでないと稼ぐのは難しい―と思いきや、そんなことはない。実は、卓球とバドミントンには一攫千金の夢がある。 「卓球は国内にプロリーグ『Tリーグ』があることが大きい。元日本代表の水谷隼氏はかつて『年収は1億円』と公言しましたが、いまリーグで活躍している張本智和選手も1億円くらいは貰っていると思います。代表選手であれば1000万?2000万円は稼げるでしょう」(大手スポーツ紙デスク) 卓球が稼げるようになった背景としては、テレビ東京が国際大会の中継に力を入れ始めて認知度が高まったことで、スポンサー企業が増えているという実情がある。 「卓球は世界的にも非常に人気の高いスポーツです。高額な賞金を貰える国際大会が一年中行われていることも、年収が高い要因でしょう」(前出・小林氏) つまり卓球は、プロ選手としてチームから貰える年俸に加えて、賞金を稼ぐことができるわけだ。オリンピック以外には世界卓球やワールドカップといった重要イベントがあるが、そのほかにWTTという国際大会シリーズもある。一年をかけて世界各地で開催され、各大会の賞金がおしなべて高額だ。グレードの高い大会だと優勝賞金は約960万円にも上る。