復興祈り「再生の樹」 彫刻家・木村勝一さん(青森県八戸市) 東大にツリーハウス
独創的な「樹上の隠れ家」やオブジェなどを手がける青森県八戸市のツリーハウスビルダー・彫刻家の木村勝一さん制作のツリーハウスが、東京都文京区の東京大学本郷キャンパスに登場し4日、除幕式が行われた。 作品は「アートで知性を拡張し、社会の未来をひらく」を掲げる東大芸術創造連携研究機構の依頼で制作した。2027年の東大150周年記念事業の一環となるアートセンター開設に合わせたプロジェクト。 高さ4メートル近くある作品には県産材、東日本大震災で津波をかぶった鋼板や流木も用い11月下旬、わずか3日で仕上げたという。作品名は復興への祈りを込めた「再生の樹」。 木村さんと10年来の付き合いがあるという同機構の田中庸介副機構長は「『街の中の芸術家』である木村さんが光を浴びている。現代美術に強い力を与える。建築の先生からも『面白いね』と言われ(展示に向けて)全面的にバックアップを受けた」と制作を依頼した理由を語った。 木村さんは式典で「子どもたちが勝手に登って、落書きして、汚して遊んで、『太陽の塔』のように記憶に残ってくれれば幸い」とあいさつした。 展示は1月下旬まで。その後、地震・豪雨被害を世の人々に意識してほしい-と石川県能登地方への展示を検討しているという。