トヨタ・イノーバ ゼニクスにぶつけるガチライバル! 中国BYDの「M6」発売に見えるインドネシア獲りの本気度
BYDが発表した新モデルに違和感あり!?
中国BYDオート(比亜迪汽車)は、7月18日から28日の会期にて、インドネシアの首都ジャカルタ近郊で開催されたGIIAS(ガイキンド・インドネシア国際オートショー)2024の開幕日前日に会場内で行われたプレスカンファレンスにおいて、多人数乗車が可能なMPV(多目的車)スタイルのBEV(バッテリー電気自動車)となる「M6」の正式発売を発表した。車両価格は3億7900万ルピア(約368万円)からとなっている。 【画像】インドネシアでタクシーとして大量に走っているトヨタ・トランスムーバーの画像を見る M6は筆者が海外各地の街角で見てきた限りでは、同じBYDの「e6」というモデルによく似ている。e6の初代モデルは2009年にデビューしている。BYDとしても本格的にBEVの量産をはじめた初期モデルといっていいだろう。 2021年に生産終了となり現行2代目へと引き継がれている。初代e6の流れを受け継ぎ2代目もフリート販売専用モデルのような存在となり、筆者が見てきた限り、e6はタイやインドネシア(筆者が確認した限りではまだ初代のみのようだ)ではタクシー車両として採用されている。 現行2代目は2021年にデビューしている。中国国内におけるBYDの宋ブランドの「宋マックス」の海外向け仕様と考えてもらえばわかりやすいだろう。そして、調べてみるとe6は、右ハンドル市場でのみラインアップされているということである。タイではすでにタクシー車両として、2代目もバンコク市内では多く見かけることができる。それではこのe6とM6の関係はというと、じつはBYDにはかつてM6というモデルが存在していたので、まずそこから紹介していこう。 2010年から2017年の期間でラインアップされていたM6は、丁寧な表現を使えば、トヨタの3代目エスティマにインスパイアされたモデル。つまり、わかりやすくいえばコピー車といってもいいモデルであった。いまでこそBYDはBEVの世界的トップブランドとなっているが、現在のBYDは、BYDオートの親会社であるBYD(比亜迪股份有限公司)の子会社であった「西安泰川汽車有限公司」が倒産し、BYDオートと社名変更。2003年に新会社として設立されている経緯がある。 当初は主にトヨタ・カローラセダンのコピー車「F3」など、「どこかで見たような」といいたくなるようなICE(内燃機関)車ばかりで、そのなかにM6もあった。初代M6は1.5リッターと2リッターエンジンを搭載するICE車であった。