土石流に襲われた街で神輿復活 頼朝が源氏再興を祈願した神社の祭りで被災者も笑顔 静岡
そして、5年ぶりに伊豆山地区の3つの町内の神輿が境内から下ろされる、「お下り」が行われた。 土石流によって衣装や道具の一部が流され以前より規模は小さくなったが、元の形を取り戻すことで地元の人たちは復興・復旧に向けた活力を感じていた。
3町内会のひとつ、伊豆山浜町内会の高橋一美 会長も「これを機に楽しい事が1つ1つ増えていく伊豆山にしていきたいですね。(3つ町内会の神輿が並ぶと)かっこいいですね、皆さんの笑顔がひしひしと伝わってくるので楽しみです」と笑顔を見せる。
被災者配慮で掛け声なしの神輿も
神輿は本殿の境内から約700段ある階段を下りていく。 ただ、被害の最も大きかった岸谷地区の神輿だけは、被災者に配慮して掛け声を出さず静かに運ばれていった。土石流による深い傷はまだは癒えていない。
しかし、この例大祭が地域の未来を築くことにつながると感じている。 子供に舞を指導する小澤昭治さん: 熱海を離れている人もいるが、例大祭をやることで、この時だけでも思い出に来てくれるんじゃないかな。家も全部変わっている人もいるので、このお祭りを懐かしく思ってくれれば。これ(例大祭)は絶えさせることはできないと思う
伊豆山神社の氏子献幣使・高橋幸雄さん: 月日が経つのは早いが、復旧・復興が進まないのが一番のネック。(例年祭りの)帰りは岸谷地区の被災した坂を登っていくが、それができないから半分の行事になる。だから毎年、復旧・復興するまで絶やさないように頑張るしかない。やれることだけやって、完全になるまではまだ時間かかると思う
土石流災害によって76世帯113人が伊豆山地区を離れて新たな生活を始め、他に35世帯69人が避難生活を続けている。 5年ぶりの本格的な例大祭の開催は、地域の絆を確認し復興・復旧への歩みを早めることにもつながっていきそうだ。
テレビ静岡