政治改革道半ば、政策活動費「全面廃止」も抜け穴指摘 企業・団体献金は議論持ち越し
今国会の大きな焦点だった政治資金規正法再改正など政治改革関連3法が24日の参院本会議で可決、成立した。使途公開不要な政策活動費の廃止や第三者による監視機関の設置など政治資金の透明化に向けて前進が図られたが、まだ抜け穴を指摘する声もある。企業・団体献金の扱いを巡る議論も来年に持ち越され、政治改革はいまだ道半ばだといえる。 政策活動費は政党から党幹部らに対する渡し切りの支出で、精算や余っても返済の必要がなく、不透明性が問題となっていた。野党7党が提出して成立した改正政治資金規正法は、政活費の「全面廃止」をうたい、渡し切り支出を禁じた。 ただ立民は、例えば政策立案に向けた調査のため政党から政治家個人に支出する「調査委託費」は、業務委託への対価だとして渡し切り支出には該当しないと説明する。これに対し、衆院会派有志の会は衆院政治改革特別委員会で「渡し切りと同じことで、大穴だ」と指摘。名目を変えて政活費が残る懸念がある。 政治資金収支報告書の記載内容の監視などを行う第三者機関は国会に新設される。法案を提出した公明、国民民主両党は、東京電力福島第1原発事故に関する国会事故調査委員会を参考とするが、詳細な制度設計は今後の議論に委ねられる。 最大の争点となった企業・団体献金の扱いについては容認する立場の自民と、禁止を求める立民などで主張が対立。禁止対象から政治団体を除く意向の立民に対し、全面禁止を訴える維新などから指摘が相次ぎ、野党間の温度差も際立った。 与野党は来年3月末までに結論を得ると申し合わせたが、自民関係者は「到底、成案は得られないだろう」と漏らす。(小沢慶太)