某銘柄は4万円→2万円に暴落…総菜の「半値」は魅力的でも株価では?【シニアのためのマネー講座】
【シニアのためのマネー講座】#100 「おっ、半値だ!」 午後7時半にもなると、値引きの割合が大きくなってくる。シールが3枚くらい貼られ、「すごいお得感」が出てくる。 【写真】石田ゆり子の資産総額は7億円! 54歳で独身貫く“美しすぎる不動産女王”の気になる今後 「ちょっとこの総菜、怪しいけど買ってみるか……」 ただ、よく見ると、「この総菜だけ」が妙に売れ残っている。 「んっ、人気がないのか……まずいってこと?」 「半値」ーー物価高のこの世の中において、魅力的な言葉だ。コンビニでおにぎりを買ったら勝手に「半額」にされたり、アイスが当たって「もう一本」とか、そんな類いの喜びである。 しかし、つい最近、株式市場でも「半値」という出来事が起こった。それは、伊勢化学工業という銘柄だ。株価が4万円の大台に乗った直後、たった4営業日で2万円を割り込んでしまったのである。 この銘柄、半年前は8000円くらいだったが、「ある材料」によって株価は急騰。大出世株となった。しかし、そんな喜びもつかの間、株価は大暴落。投資家はドン底へと突き落とされたのである。 そもそもこの会社、何で人気になったかというと、次世代の太陽電池「ペロブスカイト」である。ペラペラの太陽電池であり、布のように折り曲げることができる。 従来の液晶パネルのようにかさばらず、どこにでも貼り付けられるというのが特徴。その材料となる「ヨウ素」を作っているのだ。 しかし、ある証券会社から突然の「売り推奨リポート」。目標株価が1万4500円に設定されてしまった。そこから株価は大暴落。見事に「半値」になってしまったのである。 ■重要なのは自分自身の判断 だが、重要なのは、「下がったからもうダメ」ということではない。中身をしっかりと吟味しなければならない。総菜だって、もしかしたらウマイ可能性だってある。食べてみなければ分からない。 多くの人は、どうしても「他人の評価」を気にしてしまう。でも、重要なのは、自分自身の判断。自分にとって有益かどうかだ。 「半値になったのは、むしろラッキー。この上ない幸せ」と考えるべきなのだ。 「さてさて半額の総菜でも食べてみるか。なるほどね。やっぱり、そういうことね……」 まあまあ、失敗もある。なので、人生経験が豊富なシニアの皆さんに言うまでもないが、決して自分の考えに凝り固まらないようにしていただきたい。 (黒岩泰/株式アナリスト)