パリジェンヌの下着へのこだわり。最大の褒め言葉「シック、知的、セクシー」を演出する最強アイテム
ノンシャランを演じつつ、実はさりげない女らしさを大切にしているフランス人。下着には、何歳になってもこだわりが見えます。 【画像一覧を見る】
〝クラシックな黒〟は永遠に人気。
たかが下着、されど下着。ランジェリーは、他人には見えないおしゃれです。若い頃はファッション感覚で選んでいた人も、年齢とともにその捉え方は多種多様。それはフランス人も同じでしょうか。 「ランジェリーはファッションの主役になりにくい小さなアイテムです。でも肌に直接触れるものだけに、フランス人は肌の色との調和を大事にしています」 薄いチュールの素材は、ヤスミンさんがブランドを立ち上げた当初から人気のアイテムだと言います。「黒人の肌、褐色の肌、白人の肌というように、同じチュールの下着をつけても肌のコントラストによって、ランジェリーが違って見えるのが人気の理由です」。 日本ではバストトップが透けていたり、洋服の上からディテールが見えてしまうことをよしとしない人も多いようですが。「フランス人はあまり気にしません。ブラジャーをつけない人もいますから。多種多様な人種が集まるパリでは、クラシックな位置付けで黒がとても人気です。またブラックベースにグリーンやレッド、深いブルーなどが差し色にはいったデザインも好まれます。総じてトレンドを追うより、気に入ったランジェリーを色違いで買い足す方が多いですね」
ノンシャラン風の、計算された女らしさ。
色気よりスタイル重視とばかりに、ワイヤーやカップが象徴する矯正機能を重視する下着選びもあります。「数年前のフランスでは、圧倒的にノンワイヤーが主流でした。でもアメリカの影響で、バストをボリュームアップさせるブラジャーも市場に出てきました」 アメリカ人は〝バストの形と大きさ〟を重要視するが、フランス人が意識するのはむしろ胸より美しい脚なんだそう。 「パリジェンヌには胸の大きさや谷間は関係ないんです。フランス人はむしろノンシャランを演じたい。Netflixの人気ドラマ『エミリー、パリへ行く』で描かれる、エミリーのパリの上司であるシルヴィーがまさにそれ。メイクはナチュラルだけど、デコルテが開いたドレスやスリットの深いスカートでさりげない女っぽさを演出。ふだんは身体のラインを強調する服が多いシルヴィーが『プチバトー』のカジュアルなコットンキャミソールとショーツという、グラマラスとは真逆のランジェリーを身につけたシーンが忘れられません」 知的でセクシーな女性が、服を脱いだら意外なほどカジュアルなコットンランジェリー。ヤスミンさんいわく「こんなギャップもたまらない魅力!」だそう。