静岡大学長の統合再編「リセット」発言、浜松医大次期学長は「白紙撤回は受け付けられない」
浜松医科大の次期学長に選出された副学長で教育・研究担当理事の渡辺裕司氏は11日、記者会見を開き、静岡大との統合再編について「大学同士が機関決定した合意は重い」と述べ、両大の合意通りに協議を進める意向を明らかにした。静大の日詰一幸学長は合意を事実上白紙にする考えを表明したが、「白紙撤回は受け付けられない」と再考を求める考えを示した。
両大は2019年、一つの法人に統合して静岡、浜松にそれぞれ大学を新設する「1法人2大学」案で合意した。渡辺氏は合意通りの統合再編について「大学が生き残るための非常にいい選択肢。分断ではなく、双方の強みを発揮できる」と意義を説明した。
静大の日詰学長は10月、合意書を「今年度内をめどにリセットする」と発言している。渡辺氏は日詰学長について「信頼関係が完全にこじれたとは認識していない」と強調し、「発言の真意を確認したい」と述べるにとどめた。
渡辺氏は三島市出身で北海道大医学部卒。浜松医大の病院に医師として勤務したあと、教授などを務めた。学長の任期は来年4月から6年間。