雨でクルマが滑りやすい! 悪天候は「FR」と「FF」どっちが得意? 「4WDがベスト」とも言い切れないワケとは?
「もちろん速度による違いも大きいです。特に硬化したタイヤは、路面と接地面との間に雨が水膜となる『ハイドロプレーニング現象』も起きやすくなります。 タイヤは柔軟性も重要で、これによって路面への追従性やグリップ(摩擦力)、小衝撃の吸収、排水性の確保などを担っているのです」(タイヤ専門店スタッフS氏) 「タイヤは新しいほど良い」と聞きますが、最近はタイヤの価格が高騰しており、頻繁に買い替えることは難しいかもしれません。 いま履いているタイヤで、雨天時の安全性を高める方法はないのでしょうか。 「タイヤを『適正空気圧』に保つことが大切です。街を走っているクルマの4割近くが空気圧不足という検証データもあり、空気圧をチェックしていない人が多いのかもしれません。 そもそもタイヤの空気圧は1か月で約5%も抜けてしまうと言われるほど低下しやすく、定期的にチェックして足りなかったら補充する必要があります」 空気圧不足になるとタイヤが潰れて変形します。一見、接地面が増えるとグリップ力が上がると思われがちですが、実際は偏摩耗が起きやすく、制動距離も伸び、排水性が下がって、雨天時の運転に支障をきたしてしまうのです。 「かといって、空気圧を高めすぎてもあまり良いことはありません。この場合もタイヤが変形し、『転がり抵抗』は減少しますが接地面も減り、グリップ力が低下します。 数か月に1度は空気圧をチェックして適正に保つように心がけてください」(タイヤ専門店スタッフS氏) ※ ※ ※ ほかにも、安全対策として「走行速度を下げて走行すること」がもっとも手軽にできる方法です。 タイヤのグリップ力不足に陥る要因のひとつが「速度超過」で、特に雨天での走行は、速度を落とすことでコーナリングにも余裕が生まれます。 その余裕が急ハンドルや急ブレーキなどを回避することにつながるので、駆動方式やタイヤの性能に依存せず、雨の日は速度を控えて運転しましょう。
くるまのニュースライター 金田ケイスケ