「『AKIRA』が大好きで研究した」伝説の米国人スタイリストが語る日本文化のストリートファッションへの影響
50年前にニューヨークのストリートから始まったヒップホップは世界的な現象へと成長し、音楽、ダンス、グラフィティというルーツをはるかに超え、どの国でもクリエイティブな表現手段として影響力を持つようになった。エンターテインメント、スポーツ、政治、映画など、文化のほぼあらゆる側面に影響を与え、ファッションへの影響も計り知れない。 【写真】日本でインタビューに応じたジューン・アンブローズ。ビヨンセ、マライア・キャリーなど多くのビッグネームのスタイリングを手掛けてきた 今やヒップホップファッションは、ストリートウェア、あるいはアーバンファッションへと進化した。かつては現状に立ち向かうためのツールであったものが、大きなビジネスになったことは皮肉なことだが、今後もこの分野は成長することが見込まれている。
■日本の文化から多くの影響を受けた そんなストリートファッションにおける第一人者が、ヒップホップアーティスト、ジェイ・Zのスタイリストを長らく務める、ジューン・アンブローズだ。ヒップホップファッションの形成と革新におけるアンブローズの重要な役割は、ストリートウェアをパリやニューヨーク、ミラノといった世界中のファッションショーへと導いたことだ。 彼女が30年にわたりスタイリングとデザインを手がけたアーティストはビヨンセ、バックストリート・ボーイズ、マライア・キャリー、ミッシー・エリオット、バスタ・ライムス、ファレル、メアリー・J.ブライジなどなどそうそうたる名前が並ぶ。
最近、アンブローズは日本を訪れた。アンブローズによると、日本は彼女の仕事に初期の頃からインスピレーションを与えてきたという。特に日本文化は彼女の作品に多大な影響を与えているようだ。 「建築物やアニメからインスピレーションを受けています。私はアニメ版の自分なんです。アメリカでは人々は私を見て、『どうしてその帽子はそんなに大きいの?』とか『なんでそんなギンギンの格好をしているの?』と聞いてきます。ほとんどの人は理解できないんです。でもここではみんなわかってくれるのです」と日本でインタビューに応じたアンブローズは話した。