CDショップの定番商品だったディスクの保護グッズ【山下メロの平成レトロ遺産:041】
記憶の扉のドアボーイ・山下メロです。記憶の底に埋没しがちな平成時代の遺産を今週も掘り返していきましょう。 【写真】今週のレトロ遺産! 昭和末期にアナログレコードに代わる音楽メディアとして誕生し、平成に売れまくったのがコンパクトディスク。いわゆるCDです。初めて見たときは虹色の盤面が不思議で、飽きもせず眺めていました。 初期の製品は注意事項が明記され、まずはそれを熟読。信号を読み取る面に傷がつくと音飛びの原因になると書かれ、そこを触れるのは厳禁でした。一時的にケース以外の場所に置く場合も、必ず読み取り面を上にしていたほどです。 そんなCDを大事にするユーザーに応えるべく、サードパーティから多くの周辺グッズが登場しました。その定番がCD保護マットです。ケース収納時に盤面の下に設置し、傷やホコリから守るという触れ込みでしたが、そもそもケース内で盤面は浮いており、その効果はハッキリしません。 以前、2枚組みCDの緩衝材として封入されたスポンジの加水分解が原因で、接触していたCDが読み取れなくなる現象が話題になりましたが、この現象はCD保護マットで起きることはないようです。 保護マットはCDショップのノベルティになるほど、メジャーな製品でした。一方、あまり知られていないグッズも平成初期頃に売られていました。 例えば、リングプロテクター。これは伸縮性のある素材の輪っかをCD盤の外周にはめて保護するもの。確かに外側にヒビが入ることがあるので、外周の保護には有効な気もしますが、書かれている「音質向上」の効果まであるのかはよくわかりません。 そしてスマホの画面に貼る保護フィルムのような、CDに貼る保護フィルムまで登場。さらに、リングとフィルムが一体化し、CDにかぶせて利用するシャワーキャップみたいなグッズも登場しましたが、その効果は......。 このようにCDを過保護ともいえるくらい大切に扱っていたのですね。久々に懐かしいCDを引っ張り出して音楽を聴いてみましょう。 撮影/榊 智朗