震災遺構「神戸の壁」、現代美術で伝えたい 三原泰治さんの作品など展示 長田区
阪神・淡路大震災の教訓を継承する「遺構・神戸の壁・現代美術展」が、神戸市長田区腕塚町5のウォール・ギャラリーで開かれている。現代美術家の三原泰治さん=垂水区塩屋台1=が描いた13作品と、壁保存の歩みを紹介する約20枚のパネルが並ぶ。 【写真】「神戸の壁」に記憶重ね「頑張ってます」 大震災で祖母亡くした女性「私も長田から淡路に…不思議な縁」 市民団体「リメンバー神戸プロジェクト」と北淡震災記念公園(淡路市)が主催。同団体は1995年に発足し、長田区で震災の激震と猛火を耐え抜いた遺構「神戸の壁」の保存活動を展開してきた。壁は現在、同公園で保存されている。 今回、三原さんが展示した13点は、壁が移設される震災5年後までの時期に手がけた。アルミ箔(はく)を張り、光の角度で色が変わるように工夫したという。地球をイメージした球体が描かれた作品には、下側に、倒れた建物などの被災地、上側に緑が広がり、球体の上に金色の神戸の壁を配置した。三原さんは「壁の保存とともに緑ある復興への思いを込めた」と話す。 初日の12日は、三原さんらが、神戸の壁や東日本大震災の遺構保存活動の意義などを解説した。三原さんは「震災の記憶が薄れる中で物によって伝えることも必要。備えの大切さを知ってほしい」と力を込めた。 11月11日まで。午前9時~午後8時。無料。 (長沢伸一)