「自分らしさにこだわることよりも、なりたい自分を目指す」モデル岩堀せりが人生で大切にしていること
私の一番のコンプレックスは…
――せりさんは自由に生きているようで、相手を思いやる気持ちも忘れない人。そんな人柄に魅了されている人はたくさんいると思います。 誰に対しても謙虚な姿勢でいることは心がけています。それは性格ゆえで、本来、私は話せば話すほど面倒な人なんです。なので、そもそもが「私になんて誰も興味はないよね」と思っている。なぜそう思うのかは私自身もよくわかってはいないけど、小学生の時に転校したときにゆるぎなかった自信をポキッと折られて以来ずっとそんな感じです。それは、仕事がノッて雑誌の表紙を飾っている時期もそう。どんなに仕事がうまくまわっていても調子に乗ることはないですね。どんなに好きと言われてもいまいち信用しきれないし、褒められても自信が持てない。一生疑っている性格なんです。面倒ですよね(笑)。「好きです!」なんて言われたら嬉しすぎて、「どこが? なんで?」なんて根掘り葉掘りいろいろと聞きたくなってしまう。その気持をグッと抑えてクールにふるまっています。 ――かっこいい見た目なこともあって、写真からは自信があって強く見られることも多いと思いますが、そうではないんですね。 私の一番のコンプレックスはすべてにおいて「普通」なこと。特徴がないというか……。だから普通に見られたくないという思いがあるから、バレないように考えて考えて常に行動しています。できることなら、生まれながらにユニークな人に見られたい。でも、そうはなれない。クールにみられるけど、黙っているときは頭の中で細かくて小さいことをいろいろ考えているだけだと思います。自分でもいろいろと考えすぎて、結果何を考えているかわからないときも(笑)。 私がお酒が好きな理由の一つに、酔うと気持ちが開放されて、何も考えないで思ったことを話せるという部分も大きいですね。そのぐらい小心者の普通の人間なんです。本当はそんなことはバラしたくないんですけどね(笑)。 ――「自分らしく生きる」ことだけではなく、なりたい自分に向かっても努力しているんですね。 そうですね。私は憧れに向かって一生頑張る感じなのだと思います。仕事を始めてから様々な人に会うことで自分がこうありたいな、と絞られていって形になった。こういう部分は嫌だなと思うことを排除した結果なので、そこに無理している感じはないです。小心者で自己肯定感もあまり高くないけれど、私の思う「かっこいい人」を目指して日々邁進中。そんな岩堀せりを今後も見守っていただけたらと思います。 「自分らしく生きる」ことが良しとされている世の中ですが、自分らしさって何だろう?と疑問に思ったときは、せりさんのように「どんな自分になりたいのか」を掘り下げてみることが近道なのかもしれません。
【Profile】岩堀せり
唯一無二の存在感で女性ファッション誌『ViVi』『GLAMOROUS』のメインモデルを努め、現在は「otona MUSE」を中心に、モデルとして活躍。デビュー当時はあまり多くなかったクールな見た目とファッションで新しいファッションモデル像を確立し、現在もカリスマ的人気を誇る。日本の伝説的ロックバンドGLAYのリーダーのTAKUROさんを夫に持ち、ティーネイジャーの息子と娘、そしてわんこの4人と一匹の仲良し家族。現在はL.A.と東京を往復する生活を送っている。 Instagram: @iwahoriseri
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