登山中のトラブル防止と対処法学ぶ 県セミナーパークで安全講習会【山口】
日本山岳・スポーツクライミング協会の安全登山講習会は23日、山口市秋穂二島の県セミナーパークで開かれた。県内の初・中級者110人が受講し、登山中のトラブル防止と発生時の対処法を学んだ。 講師は県山岳・スポーツクライミング連盟(古林喜明会長)の志賀剛さんや江本正彦さんらが務め、「遭難防止と避難時の対処法」「登山アプリの利点と注意点」「読図、コンパスの利用」など五つのテーマで座学を行った。 「熱中症と低体温症」の講義は羽田野真紀子さんが担当。熱中症対策として、小まめな水分と塩分補給を強調し、症状が見られる場合は給水効果が高い経口補水液を飲むことを推奨した。夏でも天気の急変などで低体温症になることがあると言い「命の危険性が高い。誰にでもなる可能性はあるし、予防もできる」とし、あらかじめ天気予報を確認することや小型テントの携帯などを薦めた。 別の講義では、事前に個人情報やルートなどを書き込む登山計画書を作成することと、遭難した場合の早期発見につなげるための警察への提出を呼び掛けた。 古林会長は「昨年は全国で過去最多の3568人が遭難した。原因は道迷いが最も多く、次いで滑落・転落。講習会は今後も地道に続けていく。減少に向けて少しでも役に立てれば」と話した。