あと一歩で決勝進出を逃すも二冠を達成した千葉J、富樫勇樹に去来する悔しさと感謝「ここまで来れたのは全員の努力のおかげ」
過酷日程でもフル出場「そこに対してはすごくプライドを持ってやっている」
この感謝は、ジェッツブースターに対しても同じだ。「浮き沈みが激しいシーズンでしたが、皆さんがあきらめずにチームと一緒に戦ってくれたことは忘れないです。皆さんがいなかったらCSに出られる可能性はなかった。気持ちが切れそうな時、もう一回引っ張ってくれたのはファンの皆さんなので本当に感謝しています」 富樫個人で言うと、シーズン開幕前にはワールドカップに出場とオフに十分な休養をとる時間がなく、Bリーグのチームで最も過酷なスケジュールの中で、レギュラーシーズン60試合、CS6試合すべてに先発出場とフル稼働だった。コンディション面を考慮すれば、休んだ方が良い時もあったはずだ。それでも富樫は試合に出続けた。そこにはエースとしてチームを背負う覚悟、ホームとアウェーに関わらず富樫のプレーを楽しみにする多くのバスケットボールファンの期待に応えたい真摯な思いがある。 試合に出続けることについて富樫は、「そこに対してはすごくプライドを持ってやっているところはあると思います」と語る。「もしかしたらケガが悪化するかもしれない、そんな時もありました。ただ、(Bリーグ開幕から)この8シーズンやってきて、可能性として少しでも出られるなら常にコートに立つようにしてきました。それがチームにとって良かった時だけでなく、良くなかった時もあるかもしれないです。でも1人のプロ選手として出場し続けることが目標なので、これからもやっていきたいと思います」 全チームが目標としているのはリーグ王者であり、頂点に立てないチームはすべて敗者という見方もある。だが、二冠とCSセミファイナル進出の素晴らしい実績を残した千葉Jを敗者と言うことはできない。今シーズンも富樫は引き続き千葉Jという『勝者』を牽引する絶対的エースとして、見事な輝きを放っていたことに異論を挟む人はいないだろう。
バスケット・カウント編集部