復帰から復活へ 関学大WR小段天響が初の立命大戦へ闘志/関西学生アメフト
関西学生アメフト1部リーグで4年連続61度目の優勝を決めている関学大が5日、最終戦の立命大戦(10日、万博記念競技場)に向け、兵庫・西宮市の自校グラウンドで練習を公開した。勝てば、7戦全勝で単独優勝が決まる一戦。昨季はけがで出場できなかったWR小段天響(てんきょう、2年)は「幼いころから毎年見ていたビックゲーム。すごい楽しみ」と闘志を燃やしている。 5歳からアメフトを始め、大産大付高3年時には主将としてチームを11年ぶりのクリスマスボウル(全国高校選手権決勝)に導いた。関学大に入学した昨季も新人ながら開幕戦からリーグ戦に出場。5試合で5TDを挙げるなど活躍していたが、10月28日の京大戦で左ひざを負傷。手術が必要なほどの大けがで、その後の立命大、関大とのビッグゲーム、さらに史上初の6連覇を決めた甲子園ボウルには出場できなくなった。 サイドラインに立つしかできなかった昨季の立命大戦前には悔しさから部歌を歌っているとき、大号泣したという。 それでも不屈の闘志で立ち上がった。戦術の分析やアドバイスなどチームをサポートしながらリハビリや個人練習に励み、今夏から全体練習に参加。9月2日の桃山学院との今季開幕戦で311日ぶりに試合に復帰した。ここまでの6試合で計13回のパスキャッチに成功し、231ヤードを獲得。2TDを挙げている。 だが、「満足できた試合は一つもない」ときっぱり。一方で、「シーズン終盤のビッグゲームに合わせて準備してきた。大けがは初めてだったが、この間にフィールド全体を見ることができ、しっかり勉強もできた。これから良いパフォーマンスができる」と力を込める。 初めて迎える立命大戦。フィールドに立てる喜びを力に変え、復帰ではなく、完全復活を果たすつもりだ。(月僧正弥)